マメ科(APG分類:マメ科)デイコ(デイゴ)属の総称。エリスリナは赤色の意味。落葉高木で熱帯、亜熱帯に約100種分布する。デイコ(デイゴ)(梯姑)E. variegata L.は東南アジア原産で高さ10~15メートルになる。枝に鋭い刺(とげ)があり、葉は3出複葉で互生し、小葉は三角状広卵形、長さ8~15センチメートル。落葉期の4~5月、総状花序に赤色の蝶形花(ちょうけいか)が密集して下向きに開く。沖縄では露地で栽培できる。果実は長さ10~30センチメートルの鎌(かま)形の莢(さや)になる。カイコウズ(アメリカデイコ)E. crista-galli L.はブラジルからアルゼンチンに分布し、小高木で枝に鋭い刺を散生する。和名はカイコウズ(海紅豆)だが、同じマメ科のナンバンアカアズキもカイコウズとよばれることがある。日本に広く栽培されているものは小葉が卵状楕円(だえん)形でやや革質のものが多く、園芸種のマルバデイコcv. Maruba-Deigoといわれる。花は6月ごろから開き、赤色の蝶形花は上向きに開き、旗弁は幅広い。サンゴシトウE. × bidwillii Lind.はヘルバケアE. herbacea L.とアメリカデイコの雑種である。小葉は広卵状菱(ひし)形で、6月ごろから、旗弁が開出しない濃赤紅色の蝶形花が下向きに開く。ともに関東南部以南の暖地に植栽され、繁殖は挿木、取木、実生(みしょう)による。
[小林義雄 2019年10月18日]
種子や樹皮にはエリトリナアルカロイドが含まれていて、麻痺(まひ)作用があるため、ネイティブ・アメリカンは歯痛の治療に使った。またコロンビアでは、エデュリスE. edulis Triamの種子を煮て食べる。アフリカのセネガレンシスE. senegalensis DC.や、アメリカのアルボレアE. herbacea(E. arborea (Chapm.) Small)は種子が赤くて美しく、先住民はネックレスなどの装飾品にする。材は一般に柔らかく、かつてタイではデイコの材を粉にしておしろいにした。葉はヤギ、ウシ、ヒツジの飼料になるが、多くは花木としても利用される。
[湯浅浩史 2019年10月18日]
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