エルベ(読み)えるべ(その他表記)Gustave Hervé

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルベ」の意味・わかりやすい解説

エルベ
えるべ
Gustave Hervé
(1871―1944)

フランスの政治家、ジャーナリスト。初め高等学校の歴史学教授を務めたが、社会党最左派の活動家として頭角を現し、その激しい反軍宣伝のため再三訴追された。1906年に自派の機関紙『社会戦争』La Guerre socialeを創刊する一方、第二インターナショナルの諸大会でも反愛国主義とゼネスト戦術を唱えて指導者たちから問題児視された。1914年の第一次世界大戦開幕に際しては一転して非妥協的愛国主義者となり、『勝利La Victoireと改名した機関紙でクレマンソーの強硬論を支持した。大戦後はさらに右傾化し、1930年代にはペタン元帥の指導する「国民革命」を唱えて、後のビシー時代の先駆けとなった。

[平瀬徹也]

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百科事典マイペディア 「エルベ」の意味・わかりやすい解説

エルベ[川]【エルベ】

ヨーロッパ中部の大河。チェコ西部の山中に発し,北西流してドイツ貫流,クックスハーフェン付近で北海に注ぐ。全長1165km,うちドイツ領内761km,舟航可能947km。マクデブルクで250mの川幅はハンブルクで500mに達し河口で15kmに広がる。バルト海オーデル川,ルール地区などと結ぶ運河網が発達。16世紀半ば英国マーチャント・アドベンチャラーズがハンブルクに進出したことにはじまって,エルベ川は英国をはじめとする西ヨーロッパと深い関係をもち,19世紀にはライン川と並ぶヨーロッパ大陸の大動脈となった。
→関連項目エスチュアリードイツラベ[川]

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