エレツ(その他表記)Elets/Елец

デジタル大辞泉 「エレツ」の意味・読み・例文・類語

エレツ(Elets/Елец)

ロシア連邦西部、リペツク州都市ドン川の支流ソスナ川沿いに位置する。12世紀にリャザン公国の砦が置かれ、13世紀にモンゴル帝国、15世紀にタタール人の攻撃を受けた。その後、モスクワ大公国の下、ボリス=ゴドノフにより要塞が築かれた。交易拠点として栄え、レース編み名産。19世紀にロシアの建築家コンスタンチン=トンの設計で建造されたネオビザンチン様式の大聖堂がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エレツ」の意味・わかりやすい解説

エレツ
えれつ
Елец/Elets

ロシア連邦西部、リペツク州にある都市。ドン川支流ソスナ川の川岸にある鉄道分岐点。人口11万9800(2003推計)。電機、皮革食肉製糖、たばこ工業ほか、古くから知られたレース編みの手工業がある。1146年に記録に現れ、リャザン公国の南境の要塞(ようさい)であったが、13世紀、15世紀に、モンゴル、タタールにより破壊され、16世紀に復興した。教育大学、郷土博物館がある。

[中村泰三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エレツ」の意味・わかりやすい解説

エレツ
Yelets

ロシア西部,リペツク州の都市。州都リペツクの西約 70km,ドン川支流ソスナ川にのぞむ。 1146年より知られ,長い間ロシアの南部辺境の要塞であった。 1395年チムール,1414年タタールの侵入を受け,83年モスクワ大公国領となった。古くからレース編の手工業で知られ,現在ほかに電気機器,皮革,食品 (砂糖) ,たばこ,建設資材などの工業がある。教育大学がある。鉄道分岐点。人口 10万8404(2010)。

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