ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーベルラン」の意味・わかりやすい解説
エーベルラン
Øverland, Arnulf
[没]1968.3.25. オスロ
ノルウェーの詩人。初め孤独と人生のむなしさを歌っていたが,ショーペンハウアー,ニーチェ,ハイネ,やがてマルクスやフロイトの影響を受け,文化的急進主義を唱え,社会主義に近づいて現代ノルウェーの代表的詩人となった。第1次世界大戦後はブルジョア社会とキリスト教に反対し,第2次世界大戦でドイツ軍が侵攻するや徹底抗戦を唱えて,その愛国詩で国民を鼓舞し,捕えられて終戦まで収容所で過した。この間に書いた詩を集めたのが『われらすべてを生きぬく』 Vi overlever alt (1945) である。初期では『さびしい祭典』 Den ensomme fest (11) ,『パンと酒』 Brød og vin (19) ,中期では『青い山』 Berget det blå (27) などが名高い。戦後はかつて H.A.ウェルゲランが住んだ家を国家から贈られた。
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