インド中東部の州。オリッサOrissaとも。面積15万5707平方キロメートル、人口3670万6920(2001)、4197万4218(2011センサス)。州都はブバネシュワル。東部はベンガル湾に臨み、北部で西ベンガル州、ビハール州、西部でマディヤ・プラデシュ州、南部でアンドラ・プラデシュ州と接する。マディヤ・プラデシュ州に源を発するマハナージ川が中央部を東に流れ、河口に大デルタを形成している。このデルタをはじめとして東部の沿岸には数個のデルタがあり、この州の重要な農業地域となっている。西部は東ガーツ山脈を形成する丘陵地帯からなるため、大部分が森林地帯で人口密度も低く、伝統的な生活形態を維持する少数の部族民が居住する。州人口の76%以上が農業に依存し、東部の沿岸地域を中心に米、豆類、菜種、ジュート、サトウキビ、ココナッツなどを栽培している。マハナージ・デルタはガンジス・デルタに次ぐインド第二の米作地域である。鉱産資源の開発が進み、鉄、マンガン、クロム、石炭などが採掘されている。これらの資源を背景に工業化が進められ、50近い大規模工場が次々と誕生した。なかでもルールケラの鉄鋼業は世界的に知られる。紀元前3世紀のアショカ王の時代にさかのぼる古い歴史をもつこの地方は、遺跡の宝庫でもある。コナーラク、プリ、ブバネシュワルおよびその周辺には、4世紀から13世紀にわたる古い歴史をもつ寺院が至る所にみられる。
[中山晴美]
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