カタール危機(読み)かたーるきき

知恵蔵の解説

カタール危機

中東諸国とカタールの政治的対立を巡る問題。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトの4カ国が2017年6月初旬、カタールとの国交を断絶すると発表。イエメン、モルディブ、モーリシャスなども続いた。カタールが「ムスリム同胞団」などのテロ組織を支援しているというのが理由だが、この前月、カタールのタミム首長がイランを援護する発言をし、サウジアラビアへの接近を強める米トランプ政権の中東政策を批判した、などと報道されたことが発端とされる。
カタール政府は、タミム首長の発言報道を捏造によるフェイクニュースと反論し、テロ組織への支援も事実無根と否定した。しかし、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトの4カ国は、カタールとの外交関係を断つと共に全ての陸海空路を閉鎖。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの放送も遮断した。6月下旬、4カ国は共同で関係修復の条件として、カタールに「イランとの外交縮小」「アルジャジーラの閉鎖」「カタール内のトルコ軍基地の閉鎖」などを含む13項目の要求リストを提出。カタール政府はこれに対し、主権の侵害であり、国際法に反するとして受け入れを拒絶した。
14年にも、カタールが「ムスリム同胞団」を支援したという理由で、サウジアラビアを初めとする3カ国が駐カタール大使を召還したことがある。この時は、国交断絶までには至らず、クウェートの仲介によって事態は収束している。

(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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