フランスの啓蒙(けいもう)思想家ボルテールの哲学小説。1759年刊。原題は『カンディードまたは楽天主義』。純な心の持ち主カンディードは、師で、ライプニッツ流の最善説(予定調和説)の信奉者パングロス博士を信じているが、男爵の娘キュネゴンドへの恋心が災いし城から追われたのち、彼が世の中で遭遇したのは、戦争、大地震、異端審問所等々で、師の説をことごとく裏切るものばかりであった。キュネゴンド嬢に運よく一命を救われたカンディードは、2人で南米に渡るが、この地でも異端審問の追及が待ち構えていた。ついに、この世の黄金郷エル・ドラドにたどり着くが、無目的に人生を過ごすことのできない主人公は、ヨーロッパに戻り、そこで自らの畑を耕し幸福に暮らす老人を見て、「われわれの庭を耕さねばならない」と悟る。機知と皮肉を利かせた独特の文体で、空疎な形而上(けいじじょう)学を退け、実践的叡知(えいち)を説いた傑作である。
[市川慎一]
『吉村正一郎訳『カンディード』(岩波文庫)』
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新