ガス冷却炉(読み)ガスレイキャクロ

デジタル大辞泉 「ガス冷却炉」の意味・読み・例文・類語

ガス‐れいきゃくろ【ガス冷却炉】

冷却材気体を用いる原子炉総称。特に、1950年代に英国開発された黒鉛減速炭酸ガス冷却炉(コールダーホール型原子炉)や、フランスで開発された黒鉛減速炭酸ガス冷却天然ウラン金属燃料発電炉(UNGG)のこと。第二世代炉改良型ガス冷却炉AGR)を含めていうこともある。GCR(gas-cooled reactor)。
[補説]第四世代原子炉として、ヘリウムを冷却材とする高温ガス炉ガス冷却高速炉の開発が進められている。

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精選版 日本国語大辞典 「ガス冷却炉」の意味・読み・例文・類語

ガス‐れいきゃくろ【ガス冷却炉】

  1. 〘 名詞 〙 天然ウランまたは低濃縮ウランを燃料とし、黒鉛や重水減速材として、炭酸ガスやヘリウムなどのガスを一次冷却材として使用する原子炉。発電に用いられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガス冷却炉」の意味・わかりやすい解説

ガス冷却炉
ガスれいきゃくろ
gas-cooled reactor

炉心を冷やす冷却材として気体を使う原子炉。中性子の減速材として黒鉛を使い,冷却材の気体としては炭酸ガス (二酸化炭素) ,ヘリウムを使うものが代表的である。世界最初の原子炉であるシカゴパイルも空気で冷却するガス冷却炉だった。炭酸ガス冷却型には,天然ウラン金属をマグノックス (マグネシウム合金) で被覆した燃料棒を使うマグノックス型炉 (コールダーホール型原子炉 ) ,それを改良した改良型ガス冷却炉 AGR,ヘリウム冷却型には高温ガス冷却炉がある。

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化学辞典 第2版 「ガス冷却炉」の解説

ガス冷却炉
ガスレイキャクロ
gas-cooled reactor

[別用語参照]高温ガス炉

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世界大百科事典(旧版)内のガス冷却炉の言及

【原子炉】より

… 使用材料による分類もよく行われる。燃料による分類としては天然ウラン炉,濃縮ウラン炉,減速材による分類としては黒鉛炉,重水炉,軽水炉,ベリリウム炉など,冷却材による分類としてはガス冷却炉,水冷却炉,ナトリウム冷却炉などがある。軽水減速軽水冷却炉はしばしば軽水炉と呼ばれるが,これには冷却水に圧力をかけ沸騰するのをおさえつつ高温水を得る加圧水冷却型と,炉心で沸騰を許して原子炉容器から蒸気を取り出す沸騰水冷却型とがある。…

※「ガス冷却炉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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