燃料ガスと酸素との混合物の燃焼熱を利用して金属を接合する方法。溶接に際し溶接部を加圧することもあり、また被溶接物の種類、板厚、継手(つぎて)の形状によって、溶接棒を用いる場合と用いない場合とがある。各種のガス炎を用いて金属を溶接する方法をガス溶接と総称するが、酸素アセチレン炎を用い被溶接物を溶融して溶接することがもっとも多く、一般にガス溶接といえば酸素アセチレン溶接をさすと考えてよい。酸水素溶接は前者に比して火炎温度が低いため低融点の金属に用いられ、酸素プロパン溶接は安価で安全性は高いが、炎の温度が低いため溶接としては多用されず、ろう付けに用いられる。
一方、ガス圧接法は、二つの被圧縮物をガス炎で加熱し、接合面に垂直に圧縮力を加えて接合する方法である。あらかじめ被圧接物を互いに加圧しながら加熱圧縮して接合する方法をクローズ法といい、また、初め圧接面を離して別々に加熱し、溶融したところで衝撃的に両者をあわせて加圧接合する方法をオープン法という。この場合、加熱には一般に酸素アセチレン炎を用いる。
[桑名 武]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…このように溶接は古代から知られていた技術であるが,本格的に発達しだしたのは,電気エネルギーを容易に利用しうるようになってからのことである。アーク溶接,電気抵抗溶接はもとより,テルミット反応による発熱を利用したテルミット溶接,ガス溶接など,現在用いられているおもな溶接はほとんど19世紀の末期に発明されている。その後,漸次,改良の時代を経て溶接の利用度は増加していった。…
※「ガス溶接」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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