ガソリン・スタンドは,自動車に対するガソリンや軽油(ディーゼル油)の給油,モーター油の交換を主とし,一般燃料用としての灯油,その他の自動車関連商品の販売業務と,車体の洗浄,車の安全走行に必要な点検・整備等サービスの提供を行っている。従来は,ガソリン・スタンド,あるいは給油所と呼ばれていたが,最近はこのように業務内容が多岐にわたっているので,サービス・ステーション(SSと略称される)と呼ばれている。ガソリン・スタンドgasoline standは和製英語で,英語ではgas stationあるいはservice stationという。日本のガソリン・スタンドは乗用車の著しい普及とともに普及した。その数は,1953年1029にすぎなかったが,63年1万6430,73年4万4876,83年には5万9306へと飛躍的に増大し,現在アメリカに次ぐ数となった。新設や増設は石油業法(1962公布)により届出制となっているが,ガソリンの販売競争がスタンドの建設競争となり,スタンドの経営を圧迫することになったため,通産省は1976年11月に揮発油販売業法を制定,SSの登録,過密指定地域における建設の規制等が法律化された。なおこのほか,SSの建設に当たっては都市計画法,建築基準法,消防法,公害防止条例など数多くの規制があったが,規制緩和が進められるなかで,90年スタンドの新増設・廃止が原則自由化された。また96年,特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)の廃止によりガソリンなど石油製品の輸入が自由化されてからガソリンの安売り競争が激化し,約6万弱あるガソリン・スタンド業界は厳しい淘汰の時代を迎えている。
執筆者:熊坂 敏彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...