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ガラス玉演戯 ガラスだまえんぎDas Glasperlenspiel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガラス玉演戯
ガラスだまえんぎ
Das Glasperlenspiel

ドイツの作家 H.ヘッセの小説。 1931~42年執筆,43年スイスで刊行。この作品は「ガラス玉演戯」を歴史的に紹介する序章,演戯の名人であるヨーゼフ・クネヒトの伝記,クネヒトの遺作の3つの部分から成る。小説の舞台はカスターリエンという未来の理想郷で,紀元 2400年頃に,その 200年ほど前の名人クネヒトを回想して叙述する形式がとられている。ガラス玉演戯とは「文化の全内容と価値とをもってする遊戯」であり,人類が学問と芸術との分野において獲得した一切の価値をパイプオルガンのように弾きこなす総合芸術を表わしている。ヘッセはこの未来小説で現代の「雑文的」文明を痛烈に批判するとともに,国家と真の国家精神との対立を象徴的に表現している。この作品によって,46年度ノーベル文学賞を受賞した。

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デジタル大辞泉の解説

ガラスだまえんぎ【ガラス玉演戯】

《原題、〈ドイツ〉Das Glasperlenspielヘッセの近未来小説。1931年から1942年にかけて執筆され、1943年に刊行。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガラス玉演戯
がらすだまえんぎ
Das Glasperlenspiel

ドイツの作家ヘルマン・ヘッセの長編小説。未来の夢想社会を描く教養小説で、第二次世界大戦中の1943年にスイスで刊行された。「ガラス玉演戯」とは、本来、数十本の針金を張った枠の中にガラス玉を並べたもので、作者の幻想の産物。この小説では、時間と空間を超えてあらゆる精神的、霊的価値の総合を試みる。『演戯名人ヨーゼフ・クネヒトの伝記の試み』の副題をもち、精神的「ユートピア」カスターリエンで最高のエリート教育を受けた主人公は、全精力を「演戯」に注いで名人となる。彼は、さらに新しい血の導入による活性化を目ざし、カスターリエンを去って俗界に入り、旧友の息子の教育を始めた直後、この少年への愛の殉難者として水死する。作品には、作者の精神擁護の情熱が貫かれ、版を重ねて数々の問題を提起した。[藤井啓行]
『高橋健二訳『ヘッセ全集9 ガラス玉演戯』(1982・新潮社)』

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