キュレーション(読み)きゅれーしょん(英語表記)Curation

デジタル大辞泉 「キュレーション」の意味・読み・例文・類語

キュレーション(curation)

美術館博物館などの展示企画。
情報などを特定テーマに沿って集めること。→キュレーションサービス

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知恵蔵 「キュレーション」の解説

キュレーション

IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。
キュレーターの語源は、博物館や図書館などの管理者や館長を意味する「Curator(キュレーター)」からきている。キュレーターが館内の展示物を整理して見やすくするのと同様に、インターネット上のあらゆる情報を、キュレーター独自の価値判断で整理するのがキュレーションであり、キュレーションされたものは、プログラムなどで自動的に収集する従来の検索サービスの検索結果と比べて、「不要なものが少ない」「センスが良い」などといった理由から人気が高まっている。
関連サイトのURLをまとめたリンク集もキュレーションの一つではあるが、代表的なキュレーションサイトには、Twitterのつぶやきをまとめる「Togetter」や、検索サービス「NAVER」が開始した「NAVERまとめ」などがある。
「NAVERまとめ」は、韓国の検索サービス最大手「NAVER」の日本法人「ネイバージャパン株式会社」が開始したユーザー参加型のキュレーションサービスで、同サービスでは、まとめページを作ったユーザーが広告収入を得られるようにもなっており注目されている。
現在は、GoogleやYahooのような自動的に情報を収集する検索サービスが主流だが、自動化による画一的な情報収集より、手動によってまとめられた情報は、同じ価値観を持つ人々にとってありがたいものである。キュレーションサービスが普及し、更に充実すれば、検索サービスの手法の主流が変わるかもしれない。

(横田一輝  ICTディレクター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュレーション」の意味・わかりやすい解説

キュレーション
きゅれーしょん
curation

インターネット上に無数に散らばる情報を、収集・分類・再構築し、そこに価値をもたせてネット上で共有すること。それを行う人はキュレーターとよばれる。本来は美術館や博物館における、展示物の収集・分類・整理、およびわかりやすい提示などの業務全般をさし、それが転じてIT用語として使われるようになった。検索エンジンと異なるのは、人間の目を通して情報の取捨選択を行うため、むだが少ないことである。また、まったく別の分野の情報が、相互に結びつくことで新しい価値が生まれるなど、ネット情報を体系的にとらえることが可能になる。ツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で多くのフォロワーを集め、有益な情報をタイミングよくリンクすることも、キュレーションといえる。美術館や博物館の場合と異なり、ネットにおけるキュレーターに資格は必要ないが、ものごとを幅広くみて、確証のない情報を排除して、信頼できるリンク先を的確に提示するセンスが求められる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

人事労務用語辞典 「キュレーション」の解説

キュレーション

「キュレーション」(curation)とは、情報を選んで集めて整理すること。あるいは収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業を意味します。もともとは美術館や博物館で企画展を組む専門職のキュレーター(curator)に由来する言葉ですが、キュレーターが膨大な作品を取捨選択して展示を構成するように、インターネット上にあふれる情報やコンテンツを独自の価値基準で編集して紹介するサービスもキュレーションと呼ばれ、IT用語として広く使われています。さらに近年では、人材教育や組織開発の分野においても、価値創造を促す新たな役割としてキュレーションの概念に注目が集まっています。
(2013/7/8掲載)

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報