グアラニー(英語表記)Guaraní

デジタル大辞泉 「グアラニー」の意味・読み・例文・類語

グアラニー(〈スペイン〉guaraní)

パラグアイの通貨単位。

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改訂新版 世界大百科事典 「グアラニー」の意味・わかりやすい解説

グアラニー
Guaraní

南アメリカの先住民集団。トゥピ・グアラニー語族に属するグアラニー語を話す諸部族の総称。かつてのグアラニーは,ラ・プラタ川の河口からウルグアイ,ブラジルの南海岸,そしてラ・プラタ川をさかのぼったパラグアイと,アルゼンチン,ブラジルの一部の広い範囲に住んでいた。また,グアラニー系のチリグアノ族は現在のボリビア領に入り,インカ帝国と戦った。このチリグアノ族も含めてグアラニーということがある。かつてのグアラニーの直接の子孫は非常に減少し,パラグアイ,ブラジル,アルゼンチンの3国国境地帯にわずかしか残っていない(約3000~5000人と推定される)。これは三つに分けられ,カヨバムブヤニヤンデーバと呼ばれている。またパラグアイ東部で狩猟採集をおもに生活するグループがいるが,これは特にグアヤキーと呼ばれている。また,パラグアイにおいてかつてグアラニーが占めていた地域に住む混血のパラグアイ人は現在でもグアラニー語を話し,これらのグアラニー語を話す人々をもグアラニーと呼ぶ。グアラニー語はパラグアイの公用語となっており,グアラニー語の放送局も存在する。グアラニー族の社会・文化は,海岸に住むトゥピ系のトゥピナンバと似かよっていた。村の近くに大きな焼畑を開き,マニオク,トウモロコシなどを植える。タンパク質摂取のための狩猟も重要であった。トゥピナンバなどと同じく,村落同士しばしば戦い,捕虜は食べられてしまうことが多かった。各村落は一人の首長によって治められていたが,宗教的指導者であるシャーマンの力が強い。グアラニーは,一部のトゥピ族と同じく,この世の楽園の存在を信じており,シャーマンに率いられて楽園を目ざす旅に出ることもある。グアラニー族はかつてイエズス会の支配下にあり,彼らの影響力の下に自らの伝統文化から離脱したものも少なくない。そして現在では混血としてパラグアイの基層の一部を形成している。
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世界大百科事典(旧版)内のグアラニーの言及

【パラグアイ】より

…正式名称=パラグアイ共和国República del Paraguay面積=40万6752km2人口(1996)=496万人首都=アスンシオンAsunción(日本との時差=-13時間)主要言語=スペイン語(公用語),グアラニー語通貨=グアラニーGuarani南アメリカの中央南部にある共和国。南はアルゼンチン,北東はブラジル,北西はボリビアと国境を接する内陸国である。…

【モントヤ】より

…チリ征服に参加後,イエズス会士となる。1607年,パラグアイに派遣され,グアラニー族への布教に従事し,聖職者と原住民から構成される集落,つまり植民地のスペイン人社会から隔絶した社会(レドゥクシオン)の建設に努める。グアラニー語に関する書物2冊と,《パラグアイ諸地方におけるイエズス会士による魂の征服》を著した。…

※「グアラニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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