グラスハーモニカ(その他表記)glass harmonica

デジタル大辞泉 「グラスハーモニカ」の意味・読み・例文・類語

グラス‐ハーモニカ(glass harmonica)

ガラスをぬれた指などで擦って音を出す楽器。ガラスのコップなどを並べただけのものから、機構的に組み立てられたもの、また鍵盤けんばんで操作するようなものまである。

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改訂新版 世界大百科事典 「グラスハーモニカ」の意味・わかりやすい解説

グラス・ハーモニカ
glass harmonica

ガラスのコップや水盤などの縁を濡れた指でこすって発音させる楽器の一種。B.フランクリンが1761年,水盤を並べてペダルで回す機構を考案し,実用化したものが代表的。透き通る甘い音色で,18世紀後半から19世紀初頭の西欧で流行した。摩擦音により神経障害を起こすので,鍵盤式,パット,弓などでこする改良があったが廃れた。作品としては,この楽器のために書いたモーツァルトの《アダージオ》K.617a(1791),ベートーベンの演劇用の《レオノーレ・プロハスカ》(1815)などがある。最近では,ワイングラスのセットを響板上に並べての演奏を,グラス・ハープglass harpの名で発表したB.ホフマンが演奏家として知られている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラスハーモニカ」の意味・わかりやすい解説

グラス・ハーモニカ
ぐらすはーもにか
glass harmonica 英語
Glasharmonika ドイツ語
harmonica de Franklin フランス語
armonica イタリア語

擦奏体鳴楽器。水を入れた薄いガラス製のコップの縁を湿った指でこすると、水の量によってさまざまな音高が出る。この原理を応用して、アメリカのベンジャミン・フランクリンが1761年に考案した楽器で、当時はアルモニカとよばれた。椀(わん)状のガラスを横にして大きさの順に並べ、下方を水に浸しておき、中心に軸を通してペダルで回転させることで、指で触れるだけで音を出せる。モーツァルトなどがこの楽器のために作曲している。

[前川陽郁]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラスハーモニカ」の意味・わかりやすい解説

グラス・ハーモニカ
glass-harmonica

体鳴楽器の一種。ガラス製の大きさの異なる円盤を配列し,水で濡らして回転させ,それを指で押えて奏する楽器。 1760年頃イギリスで B.フランクリン発明

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百科事典マイペディア 「グラスハーモニカ」の意味・わかりやすい解説

グラス・ハーモニカ

ハーモニカ

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