グロボカール(読み)ぐろぼかーる(英語表記)Vinko Globokar

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グロボカール」の意味・わかりやすい解説

グロボカール
ぐろぼかーる
Vinko Globokar
(1934― )

フランス生まれの作曲家、トロンボーン奏者。両親ユーゴスラビア人。1959年パリ音楽院のトロンボーン科で一等賞をとって以来、その超絶的な技巧によって知られている。一方シュトックハウゼンベリオ、カーゲルらとの交遊のなかで独自の即興的な音楽を目ざし、直感音楽とよんだ。69年にフリー・ミュージック・グループ、72年にニュー・フォニック・アートを結成、さらに演劇、教育などにも関心を広げる。80年代以降は、民族的な旋律、演劇的な要素も多く用いるようになっている。主要作品は『道』(1966)、『アコード』(1966)、『照らしあうもの』(1969)、『ラボラトリウム』(1973)、『ディスクール』シリーズ、『移民』(1982~86)、『バルカン哀歌』(1992)など。1970年(昭和45)以来、数度来日している。

[細川周平]

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改訂新版 世界大百科事典 「グロボカール」の意味・わかりやすい解説

グロボカール
Vinko Globokar
生没年:1934-

ユーゴスラビアのトロンボーン奏者,作曲家。リュブリャナ音楽院,パリ音楽院でトロンボーンを学ぶ一方,個人的にレイボビッツ,L.ベリオに作曲を学ぶ。トロンボーンの現代的なテクニックを開拓したビルトゥオーゾであり,シュトックハウゼン,L.ベリオらの作曲家が彼のための作品を書いている。また1960年代より集団即興演奏を行い,72年にはニュー・フォニック・アートを結成。作曲家としては,前衛音楽的作風から出発するが,集団即興を含めた演奏体験を理論化し,奏者の呼吸などの身体性と結びついた《アテムシュトゥディ》(1971),身ぶり,動作を含む一連の《ディスクール》などを作曲している。
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