コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ゲゼル Gesell, Arnold (Lucius)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゲゼル
Gesell, Arnold (Lucius)

[生]1880.6.21. ウィスコンシン,アルマ
[没]1961.5.29. ニューヘーブン
アメリカの児童心理学者。エール大学教育学助教授,児童衛生学教授,児童発達研究所所長を歴任し,乳児より青年にわたる行動の発達に関する長期的 (追跡的な部分を含む) 研究を通じて,子供の成長の過程の法則と機序を明らかにしようと努めた。すなわち,生きた成長しつつある「有機体」として心を考え,この動的な成長の像には,周期,自己調節の動揺性 (螺旋形の発達過程) ,素質的な個性という3つの特質のあることを明らかにした。主著『幼児行動のアトラス』 An Atlas of Infant Behavior (1934) ,『誕生より5年間』 The First Five Years of Life (40) ,『5歳から 10歳までの子供』 The Child from Five to Ten (46) ,『若者,10歳から 16歳』 Youth: The Years from Ten to Sixteen (56) 。

ゲゼル
Gesell, Silvio

[生]1862.3.17. セントビス
[没]1930.3.11. ブランデンブルク
ベルギー生れのドイツの商人,経済学者。 1887~1914年アルゼンチンブエノスアイレスに,その後はドイツやスイスに在住した。彼の研究主題は貨幣問題で,研究の契機はブエノスアイレス在住中に起った貨幣インフレーションといわれる。彼の主張の特色は,J. M.ケインズに影響を与え,近代経済学史上重要な役割を果した自由貨幣学説にある。それは金,銀などの貨幣素材から貨幣を解放し,貨幣の流通速度を速め,購買力を増加させるという学説で,これによって景気の不安定性を克服しうるとした。同時に利子や地代などの不労所得の廃止を唱え,経済学的な面から総合的な社会改革案を打出している。主著『貨幣の国有化』 Die Reformation im Münzwesen als Brücke zum Sozialistischen Staat (1891) ,『自由土地および自由貨幣による経済の自然的秩序』 Die natürliche Wirtschaftsordnung durch Freiland und Freigeld (1911) 。

ゲゼル
Gezer

古代パレスチナの都市。ラムラの近くに位置し,現イスラエルのテルゲゼル。人跡は新石器時代に始り,次に青銅器時代の大都市の遺跡が残る。この遺跡は旧約聖書やトゥトモス3世からメルネプタハにいたるエジプト新王国時代 (前 1567~1085頃) の記録に現れる。前 10世紀以後ヘブライ人の都市として栄え,とりわけソロモン王が建設したとみられる城門とケースメート式城壁が知られる。その後,ハスモン (マカベア) 朝時代には砦が築かれた。現在は遺跡のみが残り,20世紀初頭以降発掘調査が行われ,住居跡,深さ 31mの水利施設,前 10世紀頃の農事暦を記した陶片なども出土した。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ゲゼル(Arnold Lucius Gesell)

[1880~1961]米国の児童心理学者。幼児の行動を詳細に観察して発達過程を標準化し、発達診断テストを考案した。

ゲゼル(Silvio Gesell)

[1862~1930]ドイツの経済学者。他の財物と異なり、貨幣だけが時間を経ても減価しないことが利子を正当化し、その結果、資産家の富を増やし、貧しい者を苦しめるとして、自由貨幣概念を提案した。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

ゲゼル【Arnold Lucius Gesell】

1880‐1961
アメリカの児童心理学者。ウィスコンシン州に生まれる。ウィスコンシン大学,クラーク大学で教育学,心理学を学びPh.D.を得,後イェール大学で医学を学び医学博士(M.D.)の学位を得た。1915年イェール大学教授となる。1911年以来イェール児童研究所を主宰,48年退職後はゲゼル児童発達研究所を創設,児童の発達研究において,研究法の開拓をはじめ多くの業績を残すとともに後継者を育てた。彼の研究を代表するのは発達診断法developmental diagnosisの確立と,それによる発達規準の作成である。

ゲゼル【Silvio Gesell】

1862‐1930
ベルギー生れのドイツの経済学者。ブエノス・アイレスで商人として成功したが,1880年代のアルゼンチンにおける激しいインフレーションをみて,貨幣の価値の安定を求めて貨幣制度の改革を唱えた。その代表作は《自由な土地と自由な貨幣とによる自然的経済制度》(1916)であるが,金・銀などに依存しない国家貨幣の創造を通じて経済の安定化を指向する考え方は世界中に多くの信奉者をもち,予言者的な存在となっていった。貨幣の純粋理論や景気循環のメカニズムについても先駆的な業績を残したが,理論的な完成度という点からアカデミックな世界では無視された。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ゲゼル【Arnold Lucius Gesell】

1880~1961) アメリカの心理学者・小児科医。乳幼児の行動観察を行い発達の様相を精密に記述して、発達診断法を確立した。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲゼル
げぜる
Arnold Lucius Gesell
(1880―1961)

アメリカの児童心理学者。ウィスコンシン州マルマの生まれ。ウィスコンシン大学およびクラーク大学で教育学、心理学を学び、哲学博士の学位を得たのち、エール大学で小児医学を学び医学博士の学位をも取得。1911年同大学精神臨床学主任(准教授)となり、1915年同教授。この間、エール大学児童発達臨床研究所を創設し所長となる。同大学停年退職後は、ゲゼル児童発達研究所を創設して、死に至るまで研究を続けた。乳幼児の行動の詳細な観察によって、その発達過程を定型化し、年齢ごとの発達標準をつくり、これに基づく発達診断テストを標準化した。そのために、一方視スクリーンの適用、写真、映画記録の分析など優れた観察手法を編み出し、さらに一卵性双生児を交互に訓練して学習と成熟との関係を解明する双生児相互統制法を創始するなど、多くの業績をあげた。インドの狼(おおかみ)少女の記録の紹介で話題をまいた。[藤永 保]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

ゲゼルの関連キーワードシュタウディンガー(Franz Staudinger)A.フェルディナンド フィーアカントフェルディナント テニエスアーノルド・L. ゲゼルゲノッセンシャフトクレルモン=ガノーゲマインシャフトシェションク1世フィーアカントゲゼルシャフト身分から契約へシュピットラーザルツギッター社会発展段階説アルファベットイスラエル王国スタンプマネーテンニェス前近代社会テンニエス

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ゲゼルの関連情報