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コップ こっぷHermann Franz Moritz Kopp

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コップ(Hermann Franz Moritz Kopp)
こっぷ
Hermann Franz Moritz Kopp
(1817―1892)

ドイツの化学者、化学史家。プロイセンのハーナウで医師を父として生まれる。ハイデルベルク、マールブルク、ギーセンの各大学で化学を学ぶ。1852年に師のリービヒがギーセン大学からミュンヘン大学に移ったため、1853年その後任教授となった。その後、1863年にハイデルベルク大学に教授職を得るまでギーセンで研鑽(けんさん)を積んだ。コップの研究生活の大半は、物質の化学構造と物理的性質の相互関連性の解明に向けられた。マールブルク大学に提出した学位論文は、酸素の密度に関するものであり、定量的測定という化学研究の基礎における非凡な技量を示した。また後年の比熱と分子量との間に成立する法則性(ノイマン‐コップの法則)の探究は、熟練した技術があって初めて成立したものである。原子量を正確に得る方途のまだ存在しない時代に生きながら、デュロン‐プチの法則が原子量の決定作業に重要な役割を果たすことを示した一人でもある。また類似した組成式をもつ有機化合物が、化学的および物理的類似性を同時に示すことや、高温において蒸気が解離することを指摘するなど、物理化学の草分けとしての業績を多く残している。しかし一般には、化学者としてよりも、『化学の歴史』Geschichte der Chemie(全4巻・1843~1847刊)という浩瀚(こうかん)な書物の著者である化学史家としてよく知られている。この著作は、現代にも通用する古典的価値をもち、たびたび復刻されている。[井山弘幸]
『A・アイド著、鎌谷親善他訳『現代化学史1・2』(1972、1973・みすず書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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