ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コミューン運動」の意味・わかりやすい解説
コミューン運動
コミューンうんどう
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… 1070年にル・マン市で最初のコミューンが結成された後,その運動は北フランス一帯に広がり,フィリップ2世の治世(1180‐1223)に頂点に達した。コミューン運動の目的は“平和”の獲得であった。この“平和”とは,領主層による暴力・略奪,恣意(しい)的な苛斂誅求(かれんちゆうきゆう),さらには住民間の暴力的対立・復讐等という混乱と暴力が支配した封建社会の中で弱者である住民の保護・安全の確保を意味した。…
…このような市民全体の結合を当時のことばで誓約団(コンユラティオconjuratio)というが,その結果,皇帝や国王あるいは封建諸侯は,やむなく市民の団体に一括した自治を認めざるをえなくなった。この動きを総称して,コミューン運動と呼ぶ。 このように中世都市は,その成立の経緯において,また生産者市民を打って一丸とした共同体である点において,古典古代やアジアの都市と根本的に違った性格をもっていた。…
※「コミューン運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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