サカイ語(読み)サカイご(その他表記)Sakai

改訂新版 世界大百科事典 「サカイ語」の意味・わかりやすい解説

サカイ語 (サカイご)
Sakai

マレーシア中部の密林地帯に住むサカイ族セノイ族)の言語セノイ語Senoicともいう。ふつう中央(セマイSemai方言),北および南東の3方言に分けられるが,その差は大きい。音韻文法はモン・クメール系(アウストロアジア語族)だが,単語マレー語からの借用が多く,ほかに原ネグリト語の痕跡も見られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サカイ語」の意味・わかりやすい解説

サカイ語
さかいご

マレー半島中部に分布する少数民族の言語。中央サカイ語(セマイ語)、東サカイ語(ジャフット語)、北サカイ語(テミアル語)などの方言に分かれ、近隣のセマング語(ジャハイク語)、セムナム語などとともにセノイ語群を形成し、オーストロアジア語族支族であるモン・クメール語族に属する。使用人口はセノイ語群全体で約3万人くらいと推定されている。接辞による語形成を行う。なお、サカイ、セマングという民族名は蔑称(べっしょう)のため現在では使用されず、それぞれ前述の括弧(かっこ)内の名称でよばれる。

[坂本恭章]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サカイ語」の意味・わかりやすい解説

サカイ語
サカイご
Sakai language

マレー半島の小言語。セノイ語ともいう。話し手約3万人。系統未詳であるが,オーストロアジア語族を認める学者はそのなかに含める。

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世界大百科事典(旧版)内のサカイ語の言及

【サカ】より

…ヘロドトスによれば,ギリシア人がスキタイとよぶ北方草原民族を,古代ペルシア人はサカSaka,サカイSakaiと総称したという。前5世紀のペルシア戦争の際にペルシア側について参戦したサカは,とりわけ〈アミュルギオンのサカ〉とよばれた人々で,キルギスのステップに住み,尖り帽子,ズボン,独特の弓と短剣,戦斧を身につけた強力な部隊であった。…

【セノイ族】より

…東南アジア,マレー半島中南部のジャングル地帯に住む山地民。しばしばサカイ族Sakaiと呼ばれるが,サカイとは奴隷の意で,マレー人による呼名である。人種上はスリランカのベッダ族に似ていることからベッドイドに入る。…

【セマン語】より

…タイでは〈ンゴ〉と呼ばれる。通常隣接するサカイ語やジャクン語と合わせてアウストロアジア語族中のモン・クメール語族に入れられるが,マレー語的要素も多く,また他に原ネグリト語の痕跡も認められる。最近ではしだいにサカイ語に侵されている。…

※「サカイ語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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