サマル島(読み)サマルとう(英語表記)Samar Island

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サマル島」の意味・わかりやすい解説

サマル島
サマルとう
Samar Island

フィリピン,ビサヤ諸島東部の島。面積1万 3080km2で,フィリピンで3番目に大きい。ルソン島南東部のビコル半島とはサンベルナルディノ海峡でへだてられる。南西方のレイテ島とはサンファニコ海峡でへだてられるが,1973年橋で結ばれた。ビサヤ諸島の他の島と異なって山地はないが,標高 150~300mの丘陵地が全島をおおい,平野は海岸と小河川の谷に散在する。主作物はイネとサツマイモ,キャッサバの芋類で,ココヤシマニラアサが換金用に栽培される。林業が行われ,東岸の町には製材所がある。主要集落はいずれも港町であるが,東岸と北岸は9~10月にしばしば台風に襲われるため,西岸のカトバロガンとカルバヨグ,レイテ島のタクロバンが主要港となっている。銅,鉄鉱石が採掘される。サマル語が共通言語。周辺にある約 600の小島とともにウェスタンサマル,イースタンサマル,ノーザンサマルの3州に分れる。州合計面積1万 3429km2。同人口 120万 592 (1980) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サマル島」の意味・わかりやすい解説

サマル島
さまるとう
Samar Island

フィリピン中部、ビサヤ諸島東部にある島。面積1万3280平方キロメートル、フィリピン群島中では3番目に大きい島である。人口151万8000(2000)。壮年期に開析された800メートル内外の山地からなり、島全体が密林に覆われている。村落はほとんど海岸沿いに発達し、台風の通過地としてたびたび被害を受けた。ビサヤ系のサマル人が居住するが、人口密度は比較的小さく、内陸部はあまり開かれていない。地下資源は豊かで銅、鉄の埋蔵がある。

[別技篤彦]

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