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サルストン Sulston,John E.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サルストン
Sulston,John E.

[生]1942.3.27.
イギリスの生物学者。 2002年「器官の発生とプログラムされた細胞死 (アポトーシス ) の発見」に対し,S.ブレンナー,H.ホルビッツとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。 1963年ケンブリッジ大学卒業,1966年同大学で博士号取得,カリフォルニア州のソーク研究所で博士研究員を務めたのち,医学研究会議 MRC分子生物学研究所 (ケンブリッジ) の研究員,ウェルカムトラストサンガーセンター (ケンブリッジ) の所長を務めた。デオキシリボ核酸 DNAの化学合成や生命の起源を研究したのち,1969年イギリスの MRCでブレンナーのグループに入り,1mm程度の小さな線虫 C.エレガンス Caenorhabditis  elegansの生物学と遺伝学の研究を始めた。1個の卵から 959個の細胞を持つ親になるまでを丹念に追いかけ,1976年どの細胞が分裂してどの細胞ができるかという細胞系譜が正確にできていることを確認した。その途上で,最後まで残らず死んでしまう細胞が必ずあることを見つけた。これは,のちにプログラムされた細胞死と呼ばれる遺伝子で決められた現象だった。さらにこの細胞死にかかわる遺伝子 (nuc) も発見した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サルストン
さるすとん
John E. Sulston
(1942― )

イギリスの分子生物学者。ケンブリッジ大学で有機化学を専攻し、リースColin Reeseに師事してオリゴヌクレオチド合成について研究し、1966年に博士号を取得。ソーク研究所に移り原子化学の研究を行った後、1969年より医学研究会議(MRC:Medical Research Council)分子生物学研究所のS・ブレンナーの研究グループに加わり、R・ホルビッツらとともに線虫C. エレガンス(C. elegans)が卵から成体に発生するまでの間のすべての細胞の同定を行い、発生の過程で死ぬことを運命づけられた細胞が存在すること(アポトーシス)をみいだした。この業績により、ブレンナー、ホルビッツとともに2002年のノーベル医学生理学賞を受賞した。また、アメリカのワシントン大学のウォーターストンRobert Waterston(1943― )らとの共同研究により線虫の全ゲノム配列の解読に挑戦し、1998年に世界で初めて動物ゲノムの解読に成功した。さらにイギリスの医学研究公益信託「ウェルカム・トラスト」の支援により、ゲノム研究を目的とするサンガー研究所が1992年に設立され、その所長に就任、ヒトゲノム解読にも大きく貢献した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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