ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェラン」の意味・わかりやすい解説
シェラン
Kielland, Alexander
[没]1906.4.6. ベルゲン
ノルウェーの小説家。富裕な商家に生れ,大学では法律を学んだ。卒業後は長らく煉瓦工場を経営したが,パリで会ったビョルンソンにすすめられて作家生活に入り,『短編集』 Novelletter (1879) を出して一躍認められた。以後『ガルマン・ウォルセ』 Garman & Worse (80) ,『労働者』 Arbeidsfolk (81) ,『ウォルセ船長』 Skipper Worse (82) ,『毒』 Gift (82) などの社会の腐敗と欠陥をえぐる小説を発表,特に官僚主義と聖職者階級を攻撃した。晩年は故郷スタバンゲル市の市長やメレ県知事になって社会改革に努めたが,現実と理想との矛盾に苦しんで厭世的になり,筆を折った。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報