シクロペンタデカノン

化学辞典 第2版 「シクロペンタデカノン」の解説

シクロペンタデカノン
シクロペンタデカノン
cyclopentadecanone

C15H28O(224.39).ノルムスコンともいう.雄のジャコウ猫のジャコウ腺から分泌される香気性化合物.合成法が多数報告されているが,たとえば,ヘキサデカンジカルボン酸ナトリウム塩を減圧下で加熱乾留すると得られる.融点65~66 ℃,沸点142~144 ℃(400 Pa).0.897.1.464.3-メチルシクロペンタデカノンであるムスコンとよく似た香気を有し,ともに高級香料に利用される.[CAS 502-72-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シクロペンタデカノン」の意味・わかりやすい解説

シクロペンタデカノン(データノート)
しくろぺんたでかのんでーたのーと

シクロペンタデカノン

 分子式 C15H28O
 分子量 224.4
 融点  65.6℃
 沸点  120℃/0.1mmHg
 比重  0.8973(測定温度66℃)
 屈折率 (n) 1.4637


シクロペンタデカノン
しくろぺんたでかのん
cyclopentadecanone

じゃ香とほとんど区別しにくい香気を有する白色針状結晶。ケトシクロペンタデカンともいう。天然にはじゃ香中に存在する。エキサルトンの商品名で知られる。トリデカン-1・13-ジカルボン酸ジメチルを環状アシロインとしてから脱水、還元して合成する。保留性が強く、ムスコンの代用として高級香料として用いられる。また、融点測定用溶剤としての用途もある。

[佐藤菊正]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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