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ショートトラックスピードスケート ショートトラックスピードスケートshort -track speed skating

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ショートトラックスピードスケート
short -track speed skating

アイススケート競技の一つ。 30m× 60mの室内リンクに設けられた1周 111.12mの楕円形 (オーバル) トラックで4~8人が一斉にスタートし,順位を決める。タイムを競う伝統的なスピードスケートのトラックが1周 400m (ロングトラック) であるため,この名がついた。スケート靴急カーブに対応できるよう,ロングトラックのそれに比べブレード (刃) の長さは短い。また,選手同士の接触や衝突,転倒も頻繁に起こるため,ヘルメット,手袋,さらに膝などを守るプロテクターの着用が義務づけられている。発祥地はイギリスとされ,1930年代には競技会が開かれた。 1992年のアルベールビル・オリンピック冬季競技大会からはオリンピックの正式種目に採用された。おもな国際大会としては,世界選手権,世界チーム選手権,ワールドカップがある。個人種目は男女それぞれ 500m,1000m,1500m,3000mの4種目,団体種目は4人 (補欠1人) による女子 3000mと男子 5000mのリレーがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ショートトラックスピードスケート
しょーととらっくすぴーどすけーと
short track speed skating

1周111.12メートルのトラックを滑走し、順位を競うスケート競技。単にショートトラックともよばれる。ロングトラックを滑走するスピードスケートに対し、短いトラックで行うことから名づけられた。[有賀豊文]

歴史

1900年代初頭の北米で始まったとされている。アメリカやカナダでは、当時は400メートルのロングトラックが少なく、フィギュアスケートやホッケーと同じ屋内リンクでスピード競技が行われ、発展してきた。
 1976年、国際スケート連盟(ISU:International Skating Union)公認のもと、第1回世界ショートトラックスピードスケート競技会が、アメリカのイリノイ大学スケートリンクで開催された。翌1977年には、第2回大会がフランスのグルノーブルで開催された。オリンピック種目としては歴史が浅く、1988年のカルガリー大会(カナダ)でデモンストレーション競技として初めて実施され、1992年のアルベールビル大会(フランス)から正式種目となった。
 日本では、1953年(昭和28)、日本スケート連盟が公式競技として、第1回全関東インドア・スピードスケート選手権大会を東京の後楽園アイスパレスで開催、翌1954年に全日本インドア・スピードスケート競技会を同会場で開催した。選手権大会としては、1978年に第1回日本ショートトラックスピード選手権大会が名古屋市で開催されている。1983年には、世界ショートトラックスピードスケート選手権大会を東京の品川プリンスホテルアイスアリーナで開催し、世界に認められるまでになった。その後も、1986年に第1回冬季アジア競技会を札幌で開催、1991年(平成3)には、第15回ユニバーシアード冬季大会を札幌で開催し、いずれの大会でもショートトラック競技を実施している。日本では、伝統ある競技として、海外に比べ競技会は盛んに実施されていたのである。オリンピックの正式種目となってからも、甲府で開催された2001年(平成13)第56回国体スケート競技会から国民体育大会冬季大会正式種目に導入され、なおいっそう全国的に普及・強化が図られてきている。[有賀豊文]

競技方法とおもなルール

競技距離
 個人競技には、500メートル、1000メートル、1500メートル、3000メートルが、団体競技には、2000メートルリレー、3000メートルリレー、5000メートルリレーがある。
 競技会には、距離別競技会と総合選手権大会がある。総合選手権大会では、男女とも、1500メートル、500メートル、1000メートル、3000メートルの4距離を滑走し、各距離別およびレース別にその競技会で定められた得点を与え、合計得点で順位を決定して賞を与える。
トラック
 最小限60×30メートルのアイスリンク上に、1周111.12メートルのオーバルトラックを設定する。カーブにはブロック(トラックマーカー)を置き、ストレートの幅7メートル以上、カーブの頂点のブロックからフェンスまで4メートル以上のものを標準ショートトラックとする。アイスコンデイションを保つため、トラックはレースごとに1メートルずつ移動させ、合計五つのトラックを設定する。スケーターの危険防止のために、フェンスには防護マット(国際スケート連盟が規定しているサイズ・厚さ・材質等の基準による)を設置しなければならない。
用具
 スケーターは、危険防止のために、規定された強度のあるヘルメットのほかに規則で定められた用具(手袋、すねあて、堅いパットの裏打ちされた膝(ひざ)当て、ネックプロテクション、ブレードの両端最小半径10ミリメートル以上に丸くなったスケート靴など)を着用しなければならない。
個人競技
 予選、準々決勝、準決勝、決勝のラウンドをエリミネーション方式(着順による進出)で行い、それぞれのレースで次のラウンドに進出できる人数を制限し、決勝レースの着順により順位を決定する。競技距離により1組で滑走する人数を制限(500メートル・1000メートルは4名、1500メートルは6名、3000メートルは8名)しているが、妨害行為などによる救済措置等により例外的にこの人数を超える場合もある。
 タイムは1/1000秒で計測して順位を決定する。スタートのピストルに接続された電気計時装置およびフォトフィニッシュ装置が発砲により作動し、フィニッシュラインに設置された光電管・カメラで計測される。スケートのブレード前方の先端がフィニッシュラインに到達したときにその距離を完了したものと判定される。
 2回の不正スタートを行ったスケーター、もしくは全体で3回目の不正スタートを行ったスケーターは失格となる。また、先頭のスケーターに2周追い越されたスケーターはレースを離れる(トラックの内側に入る)よう指示される。
リレーレース
 1チーム4名で、各レースは4チーム以内で行われる。スケーターの滑走順・滑走距離の制限はないが、各選手は必ず一度は引き継ぎを行わなければならない。引き継ぎはタッチで行われ、トラックレーンの中であればどの場所で行ってもよい。ただし、最後の2周のみ1名のスケーターで滑走しなければならない。もし最後の2周の間に転倒があった場合は他のスケーターに引き継ぐことが許される。[有賀豊文]

世界における日本の活躍

1977年(昭和52)、フランスのグルノーブルにおいて、第2回目の世界ショートトラックスピードスケート競技会が参加国7か国で開催され、日本は男子8名、女子4名が初参加をしている。結果は個人総合では戸田博司が銅メダル、男子5000メートルリレー、女子3000メートルリレーでは日本チームが銅メダル獲得と好成績をあげている。
 その後の世界選手権大会における日本選手の活躍は世界をリードしてきたと言っても過言ではない。戸田博司が個人総合で1979年に金メダル、1980年に銅メダルを獲得して以来、個人総合のメダリストだけを見ても、加藤美佳(みか)(1981年・銀、1983年・銀)、加藤美善(みよし)(1962― )(1981年・金、1983年・銅)、石原辰義(1964― )(1984年・銀、1985年・銀、1986年・金、1988年・銅)、木下真理子(1967― )(1984年・金)、河合季信(としのぶ)(1967― )(1985年・金、1987年・金)、獅子井英子(えいこ)(1965― )(1985年・金、1987年・金、1988年・銅)、山田由美子(1988年・銀)、赤坂雄一(1967― )(1990年・銀)と、日本選手が活躍を続けてきた。
 オリンピックでは、1992年のアルベールビル大会で正式種目に加わり、ようやく世界の注目を受けることとなる。日本チームは男子5000メートルリレーで銅メダル(石原辰義、河合季信、赤坂雄一、川崎努(1969― ))を獲得した。1998年長野大会では、念願であったオリンピック初の金メダルを男子500メートルの西谷岳文(にしたにたかふみ)(1979― )が、同じく植松仁(1974― )が銅メダル獲得、そのほか多くの入賞者を出した。その後は、惜しくもメダルには届かない状況が続き、入賞者数も減少しているのが現状である。韓国を中心に強豪国のカナダ、中国などの選手が上位を占めており、日本選手がメダルを獲得するのに厳しい状況が続いている。[有賀豊文]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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