ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョスパン」の意味・わかりやすい解説
ジョスパン
Jospin, Lionel
フランスの政治家。首相(在任 1997~2002)。1963年エコール・ナシオナル・ダドミニストラシオン ENAに入学,首席に近い成績で卒業後,外務省に入省。その後アメリカ合衆国に留学し,1970年に帰国,パリ=ソー工科大学に職を得て,1981年まで経済学を教えた。1971年フランス社会党に入党,1977年に国会議員に初当選した。1981年フランソア・M.ミッテランが大統領になると,あとを継いで党第1書記となった。ミッテラン政権 2期目で教育大臣として学校の教室を増設し,7大学を新設したが,一方で思わぬ論争を巻き起こした。1989年公立学校でイスラム教徒の女子生徒がベールをかぶることを認めたが,この決定は多くの国民から政教分離の原則に反するとみなされた。1995年フランス社会党の大統領候補に選出。しかし僅差で共和国連合のジャック・シラクに敗れた。1997年の選挙でフランス社会党中心の勢力が過半数を制したため,シラクからアラン・ジュペの後任の首相に指名され,コアビタシオン(保革共存政権)が成立。週 35時間労働制を実現し,失業対策に力を入れ,民営化と財政抑制に向け中道路線を推進した。2002年再び大統領選挙でシラクに挑戦したが,選挙戦でふるわず,まもなく首相を辞任した。
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