ジョフロイネコ(読み)じょふろいねこ(英語表記)Geoffroy's cat

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョフロイネコ」の意味・わかりやすい解説

ジョフロイネコ
じょふろいねこ
Geoffroy's cat
[学] Leopardus geoffroyi

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物。ボリビア南部からパタゴニアの乾燥地帯に生息する。体長45~70センチメートル、尾長26~35センチメートル。体色は黄褐色から銀灰色まで変異があり、褐色斑点(はんてん)がある。単独で生活し、おもに夜行性と思われるが、習性はほとんど不明である。木登りや泳ぎがうまく、齧歯(げっし)類や鳥類を捕食する。冬から春に樹洞などで1産2~3子を産む。寿命は飼育下で約11年。近縁種に、コスタリカからアルゼンチン北部の森林にすむジャガーネコL. tigrinusがある。

[今泉忠明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョフロイネコ」の意味・わかりやすい解説

ジョフロイネコ
Leopardus geoffroyi; Geoffroy's cat

食肉目ネコ科。この名はフランスの動物学者 E.ジョフロア・サン=ティレールの名によるもの。体長 45~70cm,尾長約 40cm。淡褐色地色に不規則な暗色斑紋がある。耳の先端はとがらない。木登りがうまく,ネズミ,テンジクネズミ,アグーチなどを捕えて食べる。南アメリカのボリビアからアルゼンチンまで分布し,乾燥した丘陵地帯にみられ,森林限界より上部の木の少いところにはほとんどいない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジョフロイネコの言及

【ヤマネコ(山猫)】より

…また額の条紋はふつう点状に切れている。イリオモテヤマネコと外形が似るコドコドF.guigna(イラスト),大型で斑紋が美しいオセロットF.pardalis(イラスト),尾が長い樹上生のマーゲイF.wiedii,乾いた草原にすむコロコロ(パンパスキャット)F.colocolo,比較的寒冷な森林にすむジョフロイネコF.geoffroyi,高山にすむアンデスネコF.jacobitaがある。以上のほかヒョウネコ類にはアフリカのサバンナのサーバルF.serval(イラスト),ヒマラヤから東南アジアに分布するアジアゴールデンキャットF.temmincki,サハラ以南のアフリカにすむアフリカゴールデンキャットF.aurata,体つきから走り方までテンやイタチに似るが,頭骨の構造はサーバルやゴールデンキャットに似る南アメリカのヤガランデ(ジャガランディ)F.yagouaroundi(イラスト)がある。…

※「ジョフロイネコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android