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パタゴニア Patagonia

翻訳|Patagonia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パタゴニア
Patagonia

南アメリカ南部,南緯 39°付近を東流するコロラド川より南の地域をさす。本来はチリ,アルゼンチン両国にわたるが,一般にはアンデス山脈以東のアルゼンチン領のみをさし,北からネウケン,リオネグロ,チュブト,サンタクルスの4州から成り,面積約 70万 km2。さらにその南のフエゴ島 (ティエラデルフエゴ准州) を含める場合もある。大部分が草と低木の疎林におおわれた砂漠状の台地で,アンデスから東に向って段丘状に低くなり,東縁で急崖をなして大西洋にのぞむ。この台地に深く刻まれた東西方向の谷はアンデスから流下したかつての川の河床であるが,現在も年間を通して水が流れているのはコロラド,ネグロ,チュブトなどごくわずかな川だけである。偏西風帯にあたり太平洋から湿気を帯びた西風が吹きつけるが,水分はアンデスを越えるまでに失われ,アルゼンチン領に達したときは乾いた風になっているため,この地域は年降水量 500mm以下の乾燥地帯となっており,200mm以下のところも多い。月平均気温は北部で 12~20℃,南部では6~13℃。先住民はフエゴ諸島からやってきたインディオと考えられ,16世紀スペイン人がこの地域を探検したときにはグアナコ (野生のラマ) やレア (アメリカダチョウ) などを狩猟して生活していたが,現在はほとんど残っていない。 16世紀末から 19世紀初めにかけてスペイン人やイギリス人がしばしば入植を試みたが,いずれも不成功。その後,独立したアルゼンチンが入植を進めたが,大量の移住者をみるにいたらず,国土の4分の1以上を占めるこの地域に総人口の3%強が住んでいるにすぎない。主産業は牧羊と石油採取で,中部沿岸のコモドロリバダビア周辺には同国最大の油田がある。また北部には大規模な鉄鉱床があり,ほかにマンガン,タングステン,鉛,銅,ウランなどの鉱物資源に恵まれる。農業は灌漑地帯でわずかに行われる程度。アンデス東麓に連なる湖沼地帯にはナウエルワピ,ロスグラシアレスなどの国立公園があり,近年観光業が発展してきている。

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デジタル大辞泉の解説

パタゴニア(Patagonia)

南アメリカ大陸南部の地域。主にアルゼンチン領のコロラド川から南をいう。氷河期にできた盆地・湖が点在。石油を産する。

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百科事典マイペディアの解説

パタゴニア

南米大陸南端,ほぼ南緯40°以南の地方。アンデス山脈東麓の東パタゴニア(アルゼンチン領)は半砂漠の台地できわめて乾燥,20世紀初め,油田が発見され,天然ガス,石炭,水力の開発も進んでいる。
→関連項目アルゼンチンプエルト・モントロス・グラシアレス

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世界大百科事典 第2版の解説

パタゴニア【Patagonia】

南アメリカ大陸の南緯39゜以南,コロラド川あるいはネグロ川以南のくさび形をした地域の総称。チリ領とアルゼンチン領とに分かれるが,通常狭義にそのアルゼンチン領のみの呼称として用いられる場合が多い。語源については2説ある。一説に1520年当地に到着したF.マゼラン一行が原住民の足跡を見て命名したとする〈大きな足〉の意,他説に原住民の用語で〈荒い海岸〉の意とされる。 パタゴニアの地形は大きく二つに分けられる。

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大辞林 第三版の解説

パタゴニア【Patagonia】

南アメリカの南端部、アルゼンチン・チリ両国の南部、ネグロ川以南の地域。乾燥気候で牧羊が盛ん。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パタゴニア
ぱたごにあ
Patagonia

南アメリカ南部、コロラド川以南の地域の総称。チリ領とアルゼンチン領に分かれ、狭義にはアルゼンチン領のみの呼称として用いられる。地形はアンデス山脈とパタゴニア台地からなる。語源は、1520年この地方を探検したマジェラン一行が先住民の足跡を見て命名したとする「大きな足」の意で、ほかに先住民のことばで「荒い海岸」の意の説がある。狭義のパタゴニアはリオ・ネグロ、ネウケン、チュブート、サンタ・クルス4州とティエラ・デル・フエゴ准州からなる。面積は80万5500平方キロメートルで国土の30%弱を占めるが、人口は148万2002(1991)で全人口のわずか4.5%である。
 パタゴニア台地は標高300~1000メートルで、東側は中生代の三畳紀、ジュラ紀の沖積地層からなり、石油鉱脈を有する。パタゴニア台地とアンデス山脈との境は狭い低地帯で、第四紀大氷河期の侵食作用でできた盆地、湖が点在し、アルゼンチン湖水地方などの国立公園がある。パタゴニア台地の大半は寒冷な乾燥気候で、年平均気温は12℃以下、年降水量300ミリメートル以下である。他方アンデス山脈地帯では降水量が増加、南緯39度から42度の一帯はアルゼンチンの最多雨地域となっている。やせた土壌のステップが続くパタゴニア台地では牧羊業が、またネグロ川流域では果実栽培、集約的農業が営まれる。1907年コモドロ・リバダビアでの油田発見により石油開発が進展、パタゴニア地方は石油、天然ガスともに全国の半分以上を産する。
 マジェランらによる探検後もヨーロッパ人の入植は進まず、17世紀にはイエズス会宣教師の定住の試みが挫折(ざせつ)し、18世紀にようやくネグロ川河口に定住地ができた。1880年代なかばの先住民掃討戦の終結後、ヨーロッパ人、チリ人の入植が盛んになった。近年、鉱物資源、水力発電などの大型開発計画が実施されている。[今井圭子]
『松井覺進著『パタゴニア自然紀行――氷河調査隊同行記』(1985・朝日新聞社)』

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世界大百科事典内のパタゴニアの言及

【チリ】より

…この部分はアンデス山脈も2000m以下となるが,氷河でおおわれ,U字谷が形成され,フィヨルドが複雑な海岸線をつくっている。 このような地形的な相違に加え,南北では気候上の差も顕著で,北の国境からコキンボ(南緯30゜)までの北部,その南からビオビオ川(南緯37゜)までの中央部と,その南の南部およびパタゴニアに分けることができる。北部はきわめて乾燥しており,アタカマ砂漠,タラパカTarapacá砂漠がある。…

※「パタゴニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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