知恵蔵
「ジョルジオ・アルマーニ」の解説
ジョルジオ・アルマーニ
1934年伊・ピアチェンツァ生まれ。医学生だったが、兵役を経てミラノの百貨店に勤務、その後デザイナーに転じ、75年代にブランドを設立した。いま世界の高級ブランドはよりラグジュアリー(高級)なトータルライフスタイルを提案する方向を見せ始めているが、アルマーニはそのなかでも改めてトップランナーとしての役割を果たしそうな勢いを見せている。 この数年、欧米ビッグブランドの日本での大型旗艦店の新規開店ラッシュが続いており、2007年の10月以後だけでも東京・銀座に3ブランドが豪華な店舗ビルを出店したが、なかでも地上11階、地下2階のアルマーニ/銀座タワーをオープンしたジョルジオ・アルマーニは、その豪華さとスパや家具なども含んだ多彩な展開が注目を集めた。 東京・九段下の武道館の内部全体を一夜のために「アルマーニワールド」に改装して開かれた、豪華なライブ演奏付きのディナーパーティーも話題になった。73歳だが相変わらず精悍(せいかん)でがっちりとした体格を保ち続けるブランドの創始者アルマーニは、開店からパーティーのホスト役、記者会見などすべての催しを精力的にこなした。 そうした表向けの役回りだけではなく、準備段階での細かい指示や最終チェックも本人が厳密に行った。店舗の内装器具の配置まで実寸のモデルを作ってミリ単位で修正指示を出したという。そんな変わらぬ徹底ぶりが、1980年代にシンプルだが周到に脱構築された服でファッションの流れを大きく変えたこのブランドの特別なステータスを支えてきた。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
