日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スウェーデン王立バレエ団
すうぇーでんおうりつばれえだん
Royal Swedish Ballet
スウェーデンのバレエ団。1773年、グスタフ3世によってストックホルムに王立歌劇場が設立されて以来の長い伝統をもつ。19世紀初めにF・タリオーニFilippo Taglioni(1777―1871)がイタリアから招かれてバレエ・マスターになり、北欧スタイルの作品をつくり、ロマンチック・バレエ時代には栄えたが、その後凋落(ちょうらく)した。しかし、20世紀初め、M・フォーキンのロシアからの来演によって、創作活動が活発になった。1920年代には、パリを拠点として結成された、ド・マレRolf de Mare(1898―1964)主宰のバレエ・スウェドワBallet Suedoisの前衛的作風に共鳴して、主要ダンサーがパリに移って活動した。新たな展開は、1950年のA・チューダーの監督就任後であり、彼はクルベリBirgit Cullberg(1908―1999)の『令嬢ジュリー』、クラマーIvo Cramér(1921―2009)の『放蕩(ほうとう)息子』などモダンな作品にも力を注いでレパートリーとした。加えて、L・マシーンLéonide Massine(1896―1979)、G・バランチンGeorge Balanchine(1904―1983)、J・ロビンズJerome Robbins(1918―1998)、テトリーGlen Tetley(1926―2007)などの作品も上演されてさらに幅が広がった。1960年代以降、歴代の芸術監督には、マクドナルドBrian Macdonald(1928―2014)、クラマー、マドセンEgon Madsen(1942― )、ハーグボンNils-Åke Häggbomらがいる。
[市川 雅・國吉和子]