スウェーデン美術(読み)スウェーデンびじゅつ(英語表記)Swedish art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スウェーデン美術」の意味・わかりやすい解説

スウェーデン美術
スウェーデンびじゅつ
Swedish art

スウェーデン美術は北欧古代青銅器文化の一環として発展,鉄器文化を経,8~11世紀のバイキング時代に奇異な動物文様をもつ北欧独特の装飾文様を生んだ。 10世紀以後キリスト教が伝えられ,ロマネスクの石造聖堂が建てられ (→ルンド ) ,13世紀頃から聖堂に壁画が描かれはじめた。 16~17世紀はルネサンス,バロックの文化が開花し,宮廷を中心に美術活動もめざましい進展をとげ,クリスティーナ女王 (在位 1632~54) の治下に最盛期を迎えた。 1735年美術アカデミーが創設され,J.セルゲルのような古典主義の彫刻家を生んだ。近代絵画の運動は 1880年代の「美術家同盟」の結成をもって始り,色彩画家 E.ユーセフソン (1852~1906) をはじめ,幻想画家アロセニウス (1878~1909) ,室内画家 C.ラルソン (1853~1919) ,彫刻では 20世紀に入って,C.ミレス (1875~1955) など 20世紀初期のロマンチック・ナショナリズムに刺激された。 1925年パリのワールド・フェア開催以来,産業とデザイナーらが緊密な関係を結び,ガラス器,陶器など応用美術にすぐれた作品を作り出し,工芸,デザインの分野で国際的に高く評価されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android