1991年に登録されたフィンランドの世界遺産(文化遺産)で、首都ヘルシンキの沖合にあるスシサーリ島を中心とする6つの無人島からなる要塞(スビアボリ)。18世紀後半、当時フィンランドを支配していたスウェーデンが、ロシアから自国を防衛するために築いた要塞で、「北のジブラルタル」と称されるほど堅牢なものだった。島々を結ぶ全長7.5kmの城壁内には、星形の稜堡や兵舎などが建てられた。1808年、ロシアはフィンランドを占領し、要塞はロシア軍の駐屯地になったが、フィンランド独立後の1920年に武装解除を意味する「スオメンリンナ」と名を改め、軍事使用を中止した。現在残るのは190の建物と6kmの城壁で、ヨーロッパの要塞建築技術を伝える文化研究施設となっている。歴史上の重要建造物としての価値を認められ、世界遺産に登録された。◇英名はFortress of Suomenlinna