スノーデン

百科事典マイペディア 「スノーデン」の意味・わかりやすい解説

スノーデン

アメリカの情報技術者・システムエンジニア。元中央情報局(CIA)職員,元国家安全保障局(NSA局員メリーランド州のコミュニティー・カレッジで情報科学を学び,軍隊に入隊。特殊部隊で訓練中に事故で除隊となる。その後CIAに職員として採用されコンピュータセキュリティー関連の任務につく。2009年CIAを退職。コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトン社に雇用され同社とNSAとの契約でNSAに勤務する。2012年NSAのハワイ州のクニア地域シギント工作センターのシステム管理者となる。2013年5月,同センターでコピーしたNSAが収集した厖大な機密資料を持ち出し,香港に渡航。メディアのインタビューでNSAによるアメリカ内部と全世界を対象とした盗聴と機密情報収集活動の実態告発し,世界に衝撃を与えた。情報収集活動は盗聴とインターネット傍受を通して行われ,その対象は中国,香港をはじめ,ドイツ・日本・韓国・フランス・イタリア・トルコなど同盟国の政府・大使館・企業など38ヵ国に及んでいる。またマイクロソフトグーグル,ヤフー,スカイプ,フェイスブック等多数のIT企業がNSAに協力していることや,ドイツなど各国の情報機関と協力して他国の機密情報を収集している実態も暴露された。スノーデンの告発を積極的に報じた英紙ガーディアンとアメリカのワシントンポスト紙に2014年のピュリッツァー賞(公益部門)が与えられた。スノーデンはアメリカ司法当局から逮捕命令が出ているが,ロシアが滞在許可証を発給しロシアに滞在している。ノーベル平和賞候補にもなった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スノーデン」の意味・わかりやすい解説

スノーデン
すのーでん
Philip Snowden, 1st Viscount Snowden
(1864―1937)

イギリス政治家織工の子として生まれる。フェビアン協会独立労働党で活躍、社会主義者としての名をあげた。1906年に労働党下院議員となり、第一次世界大戦中は戦争反対の立場を貫いた。1924年の第一次労働党内閣、1929年からの第二次労働党内閣でともに蔵相を務めたが、あくまでも均衡予算に固執する伝統的な財政観をもって、世界恐慌下の経済苦境に対処しようとして、失業手当の削減案を出し、与党の労働党からの強い反発を招いた。労働党から排除されながらも、1931年に成立した「挙国」内閣の蔵相としてとどまったが、1932年9月、自由貿易原則の放棄に抗議して辞職した。

[木畑洋一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スノーデン」の意味・わかりやすい解説

スノーデン
Snowden, Philip Snowden, Viscount

[生]1864.7.18. イコーンショー
[没]1937.5.15. ティルフォード
イギリスの政治家。1903~06,1917~19年独立労働党委員長。1906~18,1922~31年下院議員。第1次世界大戦に際し,労働党党首ジェームズ・R.マクドナルドとともに非戦論を展開し,下院選に落選。1921年独立労働党の先鋭化で離党。1924,1929~31年に第1次,第2次マクドナルド内閣で財務大臣を務め,緊縮財政主義を貫き,1931年9月金本位制度離脱を実行。財務大臣辞任後,国璽尚書に任命されたがマクドナルド挙国連立内閣の保護関税政策に反対して 1932年辞任。雄弁家,女性解放論者としても著名。主著『社会主義者の予算』The Socialists' Budget(1907),『生活賃金』The Living Wage(1912),『労働と国家財政』Labour and National Finance(1920)。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「スノーデン」の解説

スノーデン
Philip Snowden

1864~1937

イギリスの政治家。小学校出の学歴で独立労働党に参加。1906年労働党所属下院議員に当選,24年第1次,29年第2次労働党内閣の蔵相となったが,世界恐慌対策に失敗,31年挙国内閣に加わり,党主流派から離れた。同年子爵に叙された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「スノーデン」の解説

スノーデン
Philip Snowden

1864〜1937
イギリスの政治家
独立労働党に参加し,のち委員長となる。財政通として第1次・第2次の労働党内閣の蔵相。1931年のマクドナルド挙国一致内閣にも留任し,自由主義を堅持しようとしたが,特恵関税制度導入を余儀なくされて辞職。

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367日誕生日大事典 「スノーデン」の解説

スノーデン

生年月日:1864年7月18日
イギリス労働党政治家
1937年没

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