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スローウイルス感染症 スローウイルスかんせんしょうslow virus infection

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スローウイルス感染症
スローウイルスかんせんしょう
slow virus infection

感染してから発病するまでの潜伏期が異常に長く,予後も悪いといった特徴をもつウイルス感染症。一般のウイルス感染症の潜伏期は数日から数週間程度だが,スローウイルス感染症では数年から十数年,長いものは 20年以上にも及ぶ。未知のウイルスによると思われるヒツジのスクレイピーという病気をこう呼んだのが最初で,同類のものにヒトのクルー,クロイツフェルト・ヤコブ病,ミンクの脳症などがある。既知のウイルスが原因になるものとしては麻疹 (はしか) ウイルスの脳内持続感染による亜急性硬化性全脳炎 SSPE,パポーバウイルスによる進行性多巣性白質脳炎 PMLが知られている。ウイルス感染後 20~30年で発病する成人T細胞白血病や数年の潜伏期があるエイズもこの一種とみることができる。

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デジタル大辞泉の解説

スローウイルス‐かんせんしょう〔‐カンセンシヤウ〕【スローウイルス感染症】

slow virus infection》長い年月にわたる潜伏期の後に発症し、症状が漸次(ぜんじ)悪化して最終的には死亡するウイルス感染症の総称。麻疹(ましん)ウイルスによる亜急性硬化性全脳炎(SSPE)など。遅発ウイルス感染症。

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大辞林 第三版の解説

スローウイルスかんせんしょう【スローウイルス感染症】

潜伏期が数か月から数十年と長い感染症の総称。病原体はウイルスまたは非ウイルス因子(異常型プリオンなど)。発症すると急速に悪化し、死に至る場合が多い。エイズ、クロイツフェルト-ヤコブ病など。遅発性ウイルス感染症。

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世界大百科事典内のスローウイルス感染症の言及

【クールー】より

…パプア・ニューギニアの食人の習慣のあるフォレFore族にのみみられた慢性進行性の神経疾患。現在では,食人の習慣がなくなるとともに消失している。とくに成人女性に多く,失調歩行と振戦(不随意の律動的な震え)で始まり,言語障害,眼球運動障害,情動変化も加わり,やがて起立も歩行も不能となり,3~6ヵ月で死亡する。小脳,脳幹,大脳基底核などの神経細胞の変性・脱落とともに組織の海綿状変化,クールー斑と呼ばれる嗜銀性構造物を特徴とする。…

【脳炎】より

…脳実質の炎症による神経疾患で,病原体の脳実質への直接の影響によるもの,各種感染症に続発したり予防接種後などにおこるアレルギー性機序の考えられるものがある。(1)病原体が脳実質を直接侵すことによる脳炎 日本脳炎,エコノモ脳炎,単純ヘルペス脳炎などをはじめ病原体はほとんどがウイルスである。症状は発熱,頭痛,吐き気,嘔吐などで始まり,意識障害や精神症状を呈するようになる。回復後も後遺症を残すことがまれではない。…

※「スローウイルス感染症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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