スーフリエール・ヒルズ火山(読み)すーふりえーるひるずかざん(英語表記)Soufrière Hills Volcano

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スーフリエール・ヒルズ火山
すーふりえーるひるずかざん
Soufrière Hills Volcano

カリブ海西インド諸島の一つ、イギリス海外県であるモンセラートMontserrat島南部に位置する安山岩の成層火山。標高は915メートル(1995年時点。その後は噴火活動により絶えず変化している)。

 山頂部の崩壊カルデラであるイングリッシュ火口で噴火が開始した。年代測定によると約350年前の火砕流堆積(たいせき)物がみつかっている。1995年夏に始まった水蒸気爆発は、年末に溶岩円頂丘溶岩ドーム)をつくる噴火に移行し、しだいに活発化した。この噴火では山頂部に成長した溶岩ドームの崩壊によって、火砕流が全方位に流れた。火砕流は海に達し海面をしばらく流走した。また、海に流入した岩屑なだれにより小さな津波が発生した。溶岩ドームの成長中はブルカノ式噴火もしばしば繰り返された。1997年6月には19名が火砕流と火砕サージ犠牲になった。この噴火によって、首都プリマスを含む島の南半分が降灰、火砕流、岩屑なだれによって壊滅し、住民は島の北部3分の1と島外に移り住んだ。1998年に噴火活動はいったん小康状態になったもののすぐに盛り返し、2003年7月には、崩落を繰り返しながらも巨大に成長した溶岩ドーム(標高1090メートルを越えていた)が大崩壊した。このときの崩落量は1億2000万立方メートル以上と推定されている。また、崩壊後に山の高さは約970メートルになった。その後2005年8月になって、火口の中に新たな溶岩が出現しはじめ、ふたたび活動期に入り、2007年初頭まで続いた。その後、2008年、2010年にも溶岩ドーム成長期が繰り返された。自国本土に活火山をもたないイギリスにとって、噴火以降、火山学研究の重要な対象となっている。

[中田節也]

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