改訂新版 世界大百科事典 「セジウィック」の意味・わかりやすい解説
セジウィック
Adam Sedgwick
生没年:1785-1873
イギリスの地質学者。ヨークシャーのデントの教区牧師の子として生まれ,ケンブリッジのトリニティ・カレッジで神学と数学を学ぶ。卒業後フェローとなり,1818年地質学の教授となる。精力的に地質学の研究を行って多くの業績をあげた。当時,化石による地質系統区分がヨーロッパ諸国ではじまっており,彼はカンブリア系を化石を含む最古の地層として提唱(1836),さらにR.T.マーチソンと共同でデボン系を提唱した(1839)。その後,カンブリア系と,マーチソンが提唱していたより上位のシルル系との有効性をめぐって論争をつづけたことは有名。教育者としても熱心で,C.ダーウィンも彼に地質調査の訓練をうけたが,セジウィックは,後にダーウィンの発表した進化論には反対した。大学行政にも手腕をふるい,またロンドン地質学会会長にもなった(1829-30)。標本の採集収集にも努めたので,ケンブリッジにセジウィック博物館として名を残している。
執筆者:清水 大吉郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報