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タクシー taxi

翻訳|taxi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タクシー
taxi

自動車を用いて他人の需要に応じ貸切運送を行う自動車運送事業。普通,主として市街地を流したり駅前などの一定場所で待ちする,不特定の旅客を相手とするものをタクシー,あらかじめ契約をした特定の顧客を相手に,車庫待ち営業をするものをハイヤーと呼んでいる。日本では道路運送法により一般乗用旅客自動車運送事業として規定されており,使用車両は定員 10人以下,事業を行うには運輸大臣 (陸運局長) の免許を必要とするが,タクシー事業の免許制度は根拠が薄いとの議論が多い。運賃は走行速度,走行距離,待ち時間によって決められ,運輸大臣の認可を必要とするが,タクシーの場合はタクシーメータに表示されなければならない。起源は,イギリスで 17世紀頃の辻馬車辻自動車となって発達したといわれ,日本では 1912年東京で最初の営業が行われた。見ず知らずの客同士の相乗りは禁止されているが,郊外の団地などバスの不便な地域では,相乗りタクシーが許されている。事業者数は 90年3月末で,法人 7197社,個人タクシー (1人1車制) 4万 7147台となっている。

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デジタル大辞泉の解説

タクシー(taxi)

貸し切りの形で旅客を運送する、営業用の乗用自動車。タキシー

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デジタル大辞泉プラスの解説

タクシー

森村誠一の長編サスペンス小説。2002年刊行。

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世界大百科事典 第2版の解説

タクシー【taxi】

タクシーキャブtaxicabの略称。タクシーの法律上(道路運送法)の名称は〈一般乗用旅客自動車〉といい,それによる運送事業は〈一個の契約により乗車定員10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する一般自動車運送事業〉(同法第3条)と定義されている。乗合運送でないという点で乗合バスとは違い,10人乗り以下の自動車による貸切輸送である点で貸切バスとも違う運送形態である。 タクシー運送はその前身ともいえる17世紀イギリスの辻馬車に起源をさかのぼるが,馬車交通の発達していた欧米では古くからみられ,自動車交通の発達にともなって便利な都市交通機関として広く普及した。

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大辞林 第三版の解説

タクシー【taxi】

客の求めに応じて、目的地まで客を運び、距離・時間に応じて料金を取る営業用自動車。タキシー。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タクシー
たくしー
taxi

タクシーキャブtaxicabの略称。専用の乗り場や路上で、あるいは呼び出しにより、客の求めに応じて営業する旅客自動車運送事業の一つ。タクシーの名称は世界の多くの国々で使用されている。[松尾光芳]

海外におけるタクシーの起源

そもそもタクシーという名称は、自動車に取り付けられたタクシーメーターからきている。タクシーメーターは、時間と距離を測定する装置で、19世紀ドイツ人によって発明された。当初はベルリンやパリで、1890年代にはヨーロッパのほかの都市でも使われていた。ロンドンでは、1907年から辻馬車およびガソリン自動車にタクシーメーターの装着が義務づけられている。
 タクシーの前身は、17世紀ヨーロッパの辻馬車にまでさかのぼることができる。17世紀末に約700台あったロンドンの辻馬車は、18世紀後半には1000台を超えるまでになった。19世紀に入ると、二輪辻馬車(キャブcab,cabriolet)と四輪辻馬車(グロウラーgrowler)という新しい形態の辻馬車タクシーが現れる。二輪辻馬車は、1835年以降から使用され、運転席(御車(ぎょしゃ)席)が後方の一段高い場所にある2人乗り1頭立てで、若者や冒険好きの人々が利用する派手な乗り物とされた。一方、四輪辻馬車は、キャブと比較すると速度は劣るが、一段格の高い乗り物とされ、主要な鉄道駅に待機していた。1903年12月には、キャブが7499台、グロウラーが3905台の合計1万1404台がロンドンで営業していた。しかし、これ以降辻馬車の台数増加はなかった。なぜなら、自動車によるタクシーが出現してきたからである。
 世界的にみると初期の自動車タクシーとして登場したのは、ベンツ社製の電気自動車で、1896年春、ドイツのシュトゥットガルトにおいてであった。同年秋から、フランスでライセンス生産されたベンツ社製の電気自動車タクシーがパリの街を走行し、その年の暮れにはアメリカのフィラデルフィアで、翌年1月にはニューヨークでタクシーが走っている。ロンドンで電気自動車を使用したタクシー会社(the London Electrical Cab Company)が設立されたのは、1896年末であった。1897年末には25台、翌1898年には75台が走行していた。高価な車両購入費や熟練運転手への高い人件費にもかかわらず、当初はマスメディアに取上げられ順調な事業開始であったとされる。だが、しだいにその目新しさが薄れていくとともに車両維持費が会社経営を圧迫していき、運賃の値上げでも対処しきれず、1899年に同社は廃業に追込まれた。その後、個人経営による電気自動車タクシーが数台運行していたが、1900年6月には姿を消している。1903年12月になると、初めてのガソリン自動車タクシーが、ロンドンに出現した。フランス製のプルネルPrunel12馬力2シリンダーを搭載し、車体はキャブに似ていた。その後もガソリン自動車タクシーは増え、1905年末には19台だったが、1年後の1906年末には96台となっていた。こうした台数の増加と需要に対処すべく、タクシーの車体製造および免許に関する規制が、1906年からロンドンで適用された。[松尾光芳]

日本のタクシー

日本におけるタクシーの沿革を以下に述べる。日本のタクシーは法律上、一個の契約により乗車定員10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する一般乗用旅客自動車運送事業であり、免許事業である(道路運送法3条~4条)。タクシーの営業形態は、客を求めて路上を走行するいわゆる流しタクシーと、駅構内あるいは営業所で待機して客を待つか、前記二つの形態の併用が基本であったが、これに加えて、車両に無線機が取り付けられ、利用者からの電話申し込みに応じて配車を行うシステムが拡大した。この無線タクシーの出現により、タクシーの顧客が不特定客であったのが、しだいに特定客層の確保へつながっていった。なお、道路運送法(昭和26年法律第183号)における一般乗用旅客自動車運送事業としては、法律上は、車庫・営業所待ち営業のハイヤーとタクシーの区別はない。しかし、タクシー業務適正化臨時措置法(昭和45年法律第75号)により、ハイヤーは「一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者がその事業の用に供する自動車で当該自動車による運送の引受けが営業所のみにおいて行なわれるもの」(2条2項)と規定されており、タクシーのような流し営業は禁止されている。また、運賃もタクシーとハイヤーは別建てである。
 日本のタクシー事業は1912年(大正1)8月、タクシー自動車株式会社がフォード6台を用いて東京・有楽町で創業したことに始まる。第一次世界大戦を境にタクシー事業は躍進し、その台数は2100台に達した(1924)。第二次世界大戦までのタクシー事業は1車1人の個人経営が多く、料金も自由料金で、運転手と顧客の談合で決められていた。しかし、戦時の物価統制令の一環でタクシー料金制度もメーター制になり(1938)、この制度は今日まで続いているが、世界の大半の国々のタクシーもメーター料金制度を採用している。また東京のタクシー事業は、戦時統合により、大和(だいわ)自動車交通、日本交通、帝国自動車、国際自動車の4社に統合された(1945)。
 第二次世界大戦後の混乱期には戦前からの代用燃料車が使用され、その後アメリカ軍の払下げ車両使用を経過して、ルノー、ヒルマンなどの輸入車両に依存するようになった。朝鮮戦争を契機とした日本経済の復興や自動車産業の飛躍的発展と並行して、タクシーの使用車両はトヨタ、日産を主軸とする国産車へと移行していった。第二次世界大戦後しばらくは許可されなかった「個人タクシー」は1959年(昭和34)12月に営業を免許されたが、その背景には1957年前後から1967年前後にかけて横行したスピード違反の「神風タクシー」や乗車拒否問題などがあり、世論の強い批判を受け、安全性の確保と旅客へのサービス向上の見地から政府もその対策の一つとして個人タクシーの増車策を採用したという事情があった。またタクシー事業近代化と運転手の質の向上を目的として、1969年東京都と大阪府にタクシー近代化センターが設立され、1970年にはタクシー業務適正化臨時措置法が制定され、東京、大阪においては試験に合格して登録した運転手でなければ乗務できない制度が確立された。[松尾光芳]

多様化と規則緩和

タクシーの料金支払い方法は現金に限らず、クーポン、チケット、カードなどが使用できるようになっている。タクシー運賃は、各事業者が運賃設定をより弾力的に行えるように、総括原価方式(営業費+借入金の利子など+適性利潤)で算出した初乗り運賃を上限として、その金額から10%下回る運賃額を下限とするゾーン運賃が、1997年(平成9)4月から導入されている。また、初乗り距離を短縮する運賃設定についても、初乗り距離の半分程度で認可されている。さらに、障害者割引、遠距離割引、日曜・休日割引、高齢者割引、クーポン割引、プリペイドカード割引といった多様化した運賃設定を実施し利用者の拡大につとめている。2012年(平成24)2月時点の日本のタクシー運賃(中型車、初乗り710円)を諸外国と比較してみると、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデンより若干高い。
 一時は神風タクシーといわれた東京のタクシーも、現在では総合評価では世界のトップクラスにランクされている。日本のタクシーは、都市における市民の多様な需要に対応するため24時間稼動しており、また本来の一車貸切りの原則から、地域によっては相乗り制を実施するなど、新しい営業形態が実施されている。多様化・高齢化する社会に対応すべく、福祉・介護タクシーが日本で最初に登場したのは、1977年(昭和52)11月である。福祉タクシーは、肢体不自由者の移動をとどこおりなく行うために車椅子乗車用リフトやストレッチャーを装備したタクシーであり、介護タクシーは、ホームヘルパー有資格者の乗務員が、要介護者からの要請に応じてケアサービスを提供するタクシーのことである。2009年時点で、こうしたサービス事業を展開する事業者は8574社となっている。
 タクシー事業は規制緩和に伴う過渡期にある。需給調整規制を廃止してタクシー事業における競争を促進するため、また利用者にとり利便性が高く、安全で安心なサービスの提供を図るために「道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律」(平成12年法律第86号)が2000年に成立、2002年2月より施行された。改正の骨子は、(1)事業参入における免許制から許可制への移行、(2)緊急調整措置の導入(輸送の安全等の維持が困難となる場合は一時的に新規参入および増車を制限する)、(3)タクシー運賃における認可制の維持(ただし運賃規制は緩和される)である。また、運行管理者について資格試験制度が導入される。[松尾光芳・藤井秀登]
 規制緩和の結果、一部地域でタクシー事業者の過剰供給が生じ、このしわ寄せがタクシー運転手の人件費切り下げとなってあらわれている。2010年度におけるタクシー運転手の平均年収(男子)は10年前より約18%下落している。こうした状況に対して、供給過剰地域を対象に協議会によって需給の適正化を図ることを目的とする、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成21年法律第64号)が2009年10月に緊急的需給調整措置として成立している。[藤井秀登]
『交通界編・刊『日本のハイヤー・タクシー』各年版 ▽Nick GeorganoThe London Taxi (1985, Shire Publications Ltd.,U.K.)』

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世界大百科事典内のタクシーの言及

【自動車運送事業】より

…自動車運送事業は同法第3条により次のように分類される。(1)一般自動車運送事業 (a)一般乗合旅客自動車運送事業(路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する事業で,定期バスとか路線バスと呼ばれる),(b)一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バスと呼ばれる),(c)一般乗用旅客自動車運送事業(一個の契約により乗車定員10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する事業で,いわゆるハイヤー,タクシーをいう),(d)一般路線貨物自動車運送事業(路線を定めて定期に運行する積合運送であり,路線トラックとか定期便と呼ばれる),(e)一般区域貨物自動車運送事業(路線運送以外の貨物運送)。(2)特定自動車運送事業 特定の者の需要に応じ,一定の範囲の旅客または貨物を運送する事業で,(a)特定旅客自動車運送事業,(b)特定貨物自動車運送事業に分類される。…

※「タクシー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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