1985年に登録されたリビアの世界遺産(文化遺産)で、同国南東部、アルジェリアとの国境に近い、サハラ砂漠のフェザン地方にある岩面画遺跡群。タドラットは現地の言葉で「山」を意味し、この地域は砂丘、岩山、渓谷と変化に富んでいる。この一帯には、約8000~2000年前の先史時代に描かれた岩絵が数多く残されている。ゾウ、キリン、ウマ、ラクダなどの絵は、かつてこの地域が緑の大地であり、人々は狩猟や牧畜中心の生活を営んでいたことを示している。岩絵には、楽器を弾く人や踊る人も描かれていて、当時の生活の様子がうかがえる。このような文化が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はRock-Art Sites of Tadrart Acacus