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タール癌 タールがん

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大辞林 第三版の解説

タールがん【タール癌】

1915年(大正4)、山極勝三郎と市川厚一がコール-タールをウサギの耳に反復塗布して発生させた皮膚癌。世界初の人工による発癌で、発癌の実験病理学に貢献。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

タール癌【タールがん】

動物の皮膚にコールタールを塗布して発生させた人工癌。石炭を常用していた西欧では煙突掃除人に陰嚢癌が多いが,これに注目してタール癌形成の多くの試みがなされた。最初に成功したものは,山極勝三郎市川厚一が1915年ウサギの耳につくった皮膚癌で,これを契機にコールタール中の発癌物質(多核芳香族炭化水素)の研究が,英国のケナウェーE.Kennaway夫妻らにより進められた。
→関連項目山極勝三郎

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タール癌
たーるがん

コールタールを繰り返し塗布することによって発生させた皮膚癌をいう。1914年(大正3)わが国の山極(やまぎわ)勝三郎、市川厚一は、600日という長期間にわたってウサギの耳にコールタールを毎日毎日反復塗布して、ついにウサギの耳に皮膚癌を発生させることに成功した。これは、人工的、実験的に癌を発生させた最初のものであり、日本の医学が世界に誇る業績の一つとして有名である。この実験結果は、癌の発生に関するドイツの病理学者ウィルヒョーの刺激説を実証したものであり、これ以後、コールタールの中に含まれている芳香族炭化水素化合物が抽出あるいは合成され、3・4‐ベンツピレン(ベンゾピレン)、1・2・5・6‐ジベンゾアントラセン、メチルコラントレンなどの化学的発癌物質が発見され、発癌の実験病理学的研究が長足に進歩した。また、これに相当する人体に関するものとしては、1775年イギリスのポットによる煙突掃除人の陰嚢(いんのう)に皮膚癌がおこりやすいという報告がある。これは、ある職業に従事する人に特定な癌が多発するという研究であり、近来注目されている職業癌のはしりということができる。[渡辺 裕]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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