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発癌物質 はつがんぶっしつcarcinogen

翻訳|carcinogen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発癌物質
はつがんぶっしつ
carcinogen

癌の原因となる物質の総称。石炭タール中にある多環性炭化水素やアゾ化合物など。前者によって生じたタール癌と呼ばれ,タール中に含まれる1,2-ベンズアントラセンなどの作用に起因する。後者にはp-ジメチルアミノアゾベンゼン (通常バター黄,DABなどと呼ばれる) などがある。シロネズミなどの皮膚に連続的に塗布するか,少量を連続的に経口投与または皮下注射することによって,皮膚癌を起させたり,肝臓癌をつくったりすることができる。女性ホルモンは乳癌に関係あるとされ,コレステロールなどからも発癌物質が人工的につくられている。発癌物質が含まれる物質を取扱う職業に従事する人には,いわゆる職業癌を起す場合がある。

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百科事典マイペディアの解説

発癌物質【はつがんぶっしつ】

癌原物質とも。癌を誘発する化学物質の総称。発癌物質は自然界にも存在する。たとえばアフラトキシンに代表されるカビ毒,二級アミンと亜硝酸の食べ合せで胃の中に生じるニトロソアミンなどである。
→関連項目癌抑制遺伝子産業公害シックハウス症候群受動喫煙腫瘍人工癌タール癌ディーゼル排出ガス公害分煙抑煙タバコ

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世界大百科事典 第2版の解説

はつがんぶっしつ【発癌物質】

癌原物質と同義語。発癌物質という言葉はかなり広く用いられているが,癌原物質という言葉のほうがよい。吉田富三は随想集《生命と言》の中で次のように論じている。〈ある物質または微生物が病気の原因となるときに“病原性”があるとはいうが,発病性があるとはいわない。病原性と“発病”とは違う。病原性のある物が体内に入っても,発病しないことがあって,そういう事実こそが,研究には大切なのである。同じ意味合いで,ある物質をもって直ちに発癌物質とよぶのは,表現として,用意が足りないと思うのである〉。

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大辞林 第三版の解説

はつがんぶっしつ【発癌物質】

動物に比較的短期間で高率に癌を発生させる物質の総称。多環式炭化水素・アゾ化合物・芳香族アミン類など。癌原性物質。 → 変異原性

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世界大百科事典内の発癌物質の言及

【食品】より

…このほか,PCBやフタル酸エステル,放射性物質による汚染も問題となった。公害公害病(3)癌原性物質(発癌物質) 食品に含まれる発癌物質には,食品そのものに含まれる場合,調理の過程で発生する場合,食品添加物そのものがもつ場合など,いくつかの系統がある。 食品そのものに含まれる例には次のようなものがある。…

※「発癌物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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