ポット(英語表記)Pott, August (Friedrich)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポット」の意味・わかりやすい解説

ポット
Pott, August (Friedrich)

[生]1802.11.14. ネッテルレーデ
[没]1887.7.5. ハレ
ドイツの言語学者。ハレ大学教授。インド=ヨーロッパ語族の語源研究に貢献した。比較研究による言語の歴史の解明を語源研究の目的に据えたことにより,近代的語源学の祖とされる。主著は『インド=ゲルマン諸語の領域における語源研究』Etymologische Forschungen auf dem Gebiete der indo-germanischen Sprachen(1833~36),ロマ(→ロム)の言語についての最初の言語学的な著作『ヨーロッパおよびアジアのジプシー』Die Zigeuner in Europa und Asien(2巻,1844~45)など。

ポット
Pott, Percivall

[生]1714.1.6. ロンドン
[没]1788.12.22. ロンドン
イギリスの外科医。 1744年から 87年まで,聖バーソロミュー病院に勤めた。彼が詳しく記載した脊椎カリエス,脊柱湾曲,複雑なくるぶし腓骨骨折,老人性壊疽などは,それぞれポット病,ポット亀背,ポット骨折,ポット壊疽と呼ばれる。また 75年,煙突掃除人がすすにまみれて職業病として起す陰嚢癌を記載したが,これは 1915年に山極勝三郎と市川厚一が,ウサギの耳にコールタールを反復塗布して人工発癌に成功するきっかけとなった。

ポット
Perodicticus potto; potto

霊長目ロリス科。体長 32~40cm,尾長5~10cm。顔は丸く,眼が大きく,耳が小さい。前後肢の第2指は発達が悪く,痕跡的であるが,第1指は大きく,他の指に対向し,物をつかむのに適している。夜行性で,日中樹洞にひそむ。動作はのろいが慎重に行動する。なお,頸椎の鋭い突起皮膚から突き出ているが,この突起は,敵に攻撃されたとき防御用に使われるらしい。東・中央西アフリカに分布し,熱帯雨林にすむ。

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