テクニカラー(英語表記)technicolour

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

テクニカラー
technicolour

色彩映画の技術方式の一つで,アメリカのテクニカラー社が 1915年に開発したカラープリント作製法。それまでの2色減色法,吸収法などを凌駕し,32年にはウォルト・ディズニーの『森の朝』で作品化されて以後,アメリカを中心に多くのすぐれた色彩映画が続々と誕生した。作製方法は,ワンショットカメラで撮影した3色分解ネガをマトリックスフィルムに焼付けて3枚のゼラチンレリーフ (凹凸) 版をつくり,これをそれぞれ三原色染料で染めたのち1本のフィルム上に像がずれないように転写させて重ね合せる。

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デジタル大辞泉の解説

テクニカラー(Technicolor)

カラー映画製作の一方式。青・緑・赤の三原色に分解した3本のフィルムを1本にまとめる方法。商標名。

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大辞林 第三版の解説

テクニカラー【Technicolor】

カラー映画の一方式。青・緑・赤の三原色に分解して撮影した三本のフィルムから一本のプリントを作るもの。商標名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テクニカラー
てくにからー
Technicolor

カラー映画製作方式の一つ。複数のモノクロ・ネガ・フィルムを同時に走行させるカメラを使用し、レンズから入射する光をプリズムによって分光して撮影する。それぞれ現像した分光ネガから作成したマトリックスを用い、金属成分からなる染料を印刷の要領で重ねて捺染(なっせん)して上映用のポジ・フィルムを作成する。1916年にテクニカラー社が開発した2色法によるカラーシステムは、光を赤・緑に分光し、2本のモノクロ・ネガ・フィルムに感光させる。しかし、この方式は青や黄色の表現に難点があった。1932年に開発された3色法のテクニカラーはこの欠点を改良し、赤・緑・青の3色に分光して3本のネガ・フィルムに感光させる方式を採用した。
 上記のようにテクニカラーは、モノクロ・フィルムを使うため退色に強いが、撮影に膨大な量のフィルムを使用し、またポジ・フィルムを作成するために複雑で高度な技術を伴う工程を経なければならず、高コストであった。1952年にイーストマン・コダック社が、1本のフィルム上で発色する多層式ネガ・カラー・フィルムを発売したため、テクニカラーはしだいに使われなくなっていった。[江口 浩]

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世界大百科事典内のテクニカラーの言及

【カラー映画】より

…〈キネマカラー〉は,白黒フィルムとカラーフィルターを使う2色加色法で,ふつうの速度の2倍,1秒に32コマの速度で撮影,映写され,目が疲労し,フィルムの損耗がはやく,色がずれるなどの欠点があった。15年,H.T.カルマスとD.F.カムストックが,マサチューセッツ工科大学の博士号をもっていたことから,テクニカラー・モーション・ピクチャー・コーポレーションと名づけた会社を設立して〈テクニカラー〉の実験を始め,22年に2色減色法を発見し,2色テクニカラー・システムによる最初のカラー映画《恋の水蓮Toll of the Sea》(1922)が作られた。また,サイレント版の《十戒》(1923)などでも部分的なカラー・シークェンスに使われ,ダグラス・フェアバンクスの《海賊》(1926)は全巻このシステムで撮影された。…

※「テクニカラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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