翻訳|Technicolor
カラー映画製作方式の一つ。複数のモノクロ・ネガ・フィルムを同時に走行させるカメラを使用し、レンズから入射する光をプリズムによって分光して撮影する。それぞれ現像した分光ネガから作成したマトリックスを用い、金属成分からなる染料を印刷の要領で重ねて捺染(なっせん)して上映用のポジ・フィルムを作成する。1916年にテクニカラー社が開発した2色法によるカラーシステムは、光を赤・緑に分光し、2本のモノクロ・ネガ・フィルムに感光させる。しかし、この方式は青や黄色の表現に難点があった。1932年に開発された3色法のテクニカラーはこの欠点を改良し、赤・緑・青の3色に分光して3本のネガ・フィルムに感光させる方式を採用した。
上記のようにテクニカラーは、モノクロ・フィルムを使うため退色に強いが、撮影に膨大な量のフィルムを使用し、またポジ・フィルムを作成するために複雑で高度な技術を伴う工程を経なければならず、高コストであった。1952年にイーストマン・コダック社が、1本のフィルム上で発色する多層式ネガ・カラー・フィルムを発売したため、テクニカラーはしだいに使われなくなっていった。
[江口 浩]
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…〈キネマカラー〉は,白黒フィルムとカラーフィルターを使う2色加色法で,ふつうの速度の2倍,1秒に32コマの速度で撮影,映写され,目が疲労し,フィルムの損耗がはやく,色がずれるなどの欠点があった。15年,H.T.カルマスとD.F.カムストックが,マサチューセッツ工科大学の博士号をもっていたことから,テクニカラー・モーション・ピクチャー・コーポレーションと名づけた会社を設立して〈テクニカラー〉の実験を始め,22年に2色減色法を発見し,2色テクニカラー・システムによる最初のカラー映画《恋の水蓮Toll of the Sea》(1922)が作られた。また,サイレント版の《十戒》(1923)などでも部分的なカラー・シークェンスに使われ,ダグラス・フェアバンクスの《海賊》(1926)は全巻このシステムで撮影された。…
※「テクニカラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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