日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディーメン」の意味・わかりやすい解説
ディーメン
でぃーめん
Anthony van Diemen
(1593―1645)
オランダの植民地経営者。若いころアムステルダムの商人だったが、破産してのちオランダ領東インド(インドネシア)に赴いた。東インド会社に勤務し、総督クーンにその才能をみいだされて秘書となり、さらに上級商務員(1623)、2年後にはインド評議会会員になった。クーンの第2回総督時代(1627~1629)には貿易事務総長として腕を振るい、本社重役会に認められて東インド総督に任命された(1636~1645)。クーンによって基礎を据えられた東インド会社の勢力はディーメンの時代にマラッカ、セイロン島、台湾とさらに拡大し、発展を遂げた。彼はまた探検を奨励し、日本の北方、東方を探り、タスマンのオーストラリア周航を成功に導いた。
[栗原福也]