タスマン(読み)たすまん(英語表記)Abel Janszoon Tasman

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タスマン」の意味・わかりやすい解説

タスマン
たすまん
Abel Janszoon Tasman
(1603―1659)

オランダの航海者、探検家オランダ東インド会社船長として勤務し、1642~43年探検のためバタビアジャカルタ)を出発し、オーストラリア南東方で現タスマニア島を「発見」し、当時の東インド総督の名にちなんでファン・ディーメンスラントと命名。そののち東航してニュージーランド西部に達し、この地をスターテンラントと命名、さらに北上してトンガフィジービスマーク諸島などを発見し、ニューギニア北岸を通過してバタビアへ帰還した。44年、前回探検した地域を調査するため再度探検を行った。48年、フィリピン、タイへの航海後、船員たちの不満を買い、会社を解雇されたのち、裕福な商人としてバタビアで生活し、同地で没した。

[栗原福也]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タスマン」の意味・わかりやすい解説

タスマン
Tasman, Abel Janszoon

[生]1603頃
[没]1659.10.22以前./1661.2.5以前.ジャカルタ
オランダの航海家,探検家。オランダ東インド会社に勤務して,17世紀の前半インド洋南太平洋の諸地域を航海し,タスマニア島 (1642) ,ニュージーランド (42) ,トンガ諸島 (43) ,フィジー諸島 (43) その他南太平洋上の多くの島に到達した。オーストラリア大陸と南極大陸陸続きではないことを確認した (43) 。しかし貿易利潤を主として追求した東インド会社は彼の業績をあまり評価せず,不遇のまま死去した。

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