改訂新版 世界大百科事典 「デニキン」の意味・わかりやすい解説
デニキン
Anton Ivanovich Denikin
生没年:1872-1947
ロシア軍の陸軍中将で,1917年のロシア革命後の内戦期の南部ロシアにおける反革命軍の指導者。陸軍大学校卒業。二月革命後,西部方面軍,西南方面軍の総司令官を務めたが,コルニーロフの反乱を積極的に支援したため臨時政府に逮捕された。十月革命直後ドンに逃れ,コルニーロフ,アレクセーエフとともにソビエト政権に反対する〈義勇軍〉を組織し,18年4月にコルニーロフが戦死すると,その司令官となった。19年ドンバスを占領,〈統一された不可分のロシア〉のスローガンをかかげてモスクワを目ざして進撃し,ソビエト政権に脅威を与えたが,19年10月に赤軍に敗れ,20年3月にはクリミアに逃れた。同年4月,軍の指揮権をウランゲリに渡し,国外亡命した。著書に内戦の記録《ロシア動乱史》(4巻。1920-25)がある。
執筆者:藤本 和貴夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報