日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルニーロフ」の意味・わかりやすい解説
コルニーロフ
こるにーろふ
Лавр Георгиевич Корнилов/Lavr Georgievich Kornilov
(1870―1918)
ロシアの陸軍歩兵大将、内戦期の反革命運動の指導者。退役コサック将校の子。1898年陸軍大学校卒業。日露戦争に従軍し、1907~11年には公使館付武官として中国に勤務。第一次世界大戦には歩兵師団長として参加したが、15年ロシア軍のガリツィア敗退時にオーストリア軍の捕虜となり、16年7月脱走。二月革命後は、ペトログラード軍管区総司令官、西南方面軍総司令官などを務め、ロシア軍の7月夏期攻勢失敗後は、臨時政府によって最高総司令官に任命された。彼は、二月革命で廃止されたがその後前線では復活されていた死刑をさらに後方にも拡大し、指揮官の権威を復活させようとして、ソビエトと対立、また首相ケレンスキーとも対立するに至った。9月7日(露暦8月25日)彼は軍事独裁を目ざす反乱(コルニーロフの反乱)を起こし、部隊を首都に向けたが、ソビエトによって阻止され、逮捕された。十月革命後は南部ロシアに逃れ、アレクセーエフ将軍とともに白色義勇軍を組織したが、18年4月エカチェリノダールで戦死した。
[藤本和貴夫]