デュアルモードビークル(読み)でゅあるもーどびーくる(英語表記)dual mode vehicle

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デュアルモードビークル
でゅあるもーどびーくる
dual mode vehicle

道路上、鉄道軌道上をともに走行できる車両。英語の頭文字からDMVともよばれる。車体価格が安く、運行や施設整備コストも鉄道より抑えられるため、赤字ローカル線や廃線の多い過疎地の有力な交通手段になると期待されている。北海道旅客鉄道(JR北海道)が2007年(平成19)からJR釧網(せんもう)本線で試験営業を始め、南阿蘇(みなみあそ)鉄道(熊本県)、天竜浜名湖鉄道(静岡県)、明知(あけち)鉄道(岐阜県)などでも試験運転が始まっている。二酸化炭素(CO2)の排出量も少なく、線路を離れて観光地などの道路を走ることができるため、観光振興や地域活性化に役だつとの見方もある。
 1930年代にイギリスで研究・開発が始まり、ドイツ、オーストラリア、日本(旧日本軍、国鉄など)なども開発に取り組んだが、道路から線路へ乗り入れる際の切り替え作業に時間がかかり実用化されなかった。しかし北海道旅客鉄道はマイクロバスをベースに、道路上はタイヤで走り、線路に入る際に、収納していた鉄製車輪を30秒程度で出して運行する方式を開発した。17人乗りで、価格は1台2000万円程度と、通常の鉄道用車両の6分の1から7分の1ですむ。
 2007年には、地域公共交通活性化・再生法(「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」平成19年法律第59号)が成立し、同一車両で鉄道と自動車運送の両方を提供できる事業が法的に認められた。国土交通省は新輸送手段として実験事業を進めており、千葉県、福井県、宮崎県など全国で、また海外ではアメリカやスロバキアなどで導入が検討されている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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