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トロイルスとクリセイデ トロイルスとクリセイデ Troilus and Criseyde

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トロイルスとクリセイデ
トロイルスとクリセイデ
Troilus and Criseyde

イギリスの詩人 G.チョーサーの長詩。いわゆる「ライムロイヤル連」による5巻 8239行の長編で,1385年完成。クリセイデに裏切られたトロイルスが戦死をとげるという悲恋物語で,中世のトロイ物語に基づくボッカチオの『フィロストラート』が素材。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トロイルスとクリセイデ
とろいるすとくりせいで
Troilus and Criseyde

中世イギリスの詩人チョーサーの代表作の一つ。ライム・ロイアルという詩型によって書かれた、トロイの勇将トロイルスとクリセイデの恋物語。全五巻。1385年ごろ完成。作者はボッカチオの『フィローストラト(恋の虜(とりこ))』を典拠としたが、独自の運命観、人間観、恋愛観に基づき、原著に無数の加筆、潤色、改変を加え、登場人物の性格、物語の構成に劇的な膨らみを与えている。ひとたび成就したトロイルスとクリセイデの地上的愛(エロス)は、クリセイデの裏切りによって崩壊するが、トロイルスは、死後、天上の愛(アガペー)の理念に到達することによって救済される。このように作者は、悲恋に終わる主人公の地上的・現世的愛に、天上の神への愛を対置し、聖と俗、時間と永遠という課題に関する二元論的価値観を、もっとも円熟した形で提示することにより、イギリス文学におけるトロイルス伝説の系譜(ヘンリソン、シェークスピア、ドライデン)のなかで、もっとも豊潤な作品を創造したといえよう。[安東伸介]
『刈田元司訳『恋のとりこ(トロイルスとクリセイデ)』(1949・新月社)』

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