ドロ(読み)どろ(その他表記)Louis Dollo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドロ」の意味・わかりやすい解説

ドロ
どろ
Louis Dollo
(1857―1931)

ベルギーの古脊椎(せきつい)動物学者。フランスリールで生まれる。リール大学で土木工学を学んだが、地質学と動物学に興味をもち、卒業後ブリュッセルに赴き、王立自然史博物館職員(1882~1925)となった。同古生物部門責任者(1891)としてブリュッセル大学教授(1909)を兼ねた。ベルニサールのイグアノドンの研究に力を注ぎ、古代動物の生態習性、環境との関連の解明に尽くした。進化学上、ドロの法則とよばれる進化非可逆の法則を唱え、不連続進化の法則、特殊化交代の法則なども提示している。

[小畠郁生]

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朝日日本歴史人物事典 「ドロ」の解説

ド・ロ

没年:大正3.11.7(1914)
生年:1840.3.27
明治期に来日したパリ外国宣教会(カトリック)宣教師。フランス・ウォスロー出身。明治1(1868)年来日。キリシタン伝統用語保存を訴えたB.T.プティジャンに応え日本最初の石版印刷術を導入する。プティジャン版といわれる教書類はほとんどド・ロによる。長崎でそうした出版事業に努める一方,疫病救護,孤児養育にかかわった。12年外海(長崎県西彼杵郡)赴任後は教育・医療のほか,農漁業,建築などの技術を指導,またマカロニ,パンの製法技術も教え「ドロさま薬」「ドロさまゼリー」などの名を残す。在日46年間の社会福祉事業僻村の貧しい民に自活の道を開いた。長崎で死去。<参考文献>片岡弥吉『ある明治の福祉像』,谷真介『外海の聖者

(大江満)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ドロ」の解説

ド=ロ De Rotz, Marc Marie

1840-1914 フランスの宣教師。
1840年3月27日生まれ。カトリック。慶応4年(1868)プチジャンの要請をうけて来日し,長崎の大浦天主堂で石版印刷による宗教書を刊行。のち外海(そとめ)地域の主任司祭。診療所をひらき,出津(しつ)教会などを建設したほか,地元民の教育や社会福祉事業につくした。大正3年11月7日長崎で死去。74歳。
【格言など】鳥はふる里に帰るといえども,ついに帰らぬおんがの町に……(生前にローマ字でかいたことば)

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