診療所(読み)シンリョウジョ

デジタル大辞泉 「診療所」の意味・読み・例文・類語

しんりょう‐じょ〔シンレウ‐〕【診療所】

《「しんりょうしょ」とも》医師歯科医師が診察・治療を行う施設うち病院より規模の小さいもの。医療法では入院用ベッド数19以下のものをいう。一般には医院と称することが多い。
[類語]病院医院療養所サナトリウムクリニックホスピス産院

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「診療所」の解説

診療所

ベッド数が0~19床の医科および歯科の医療施設。20床以上の病院とは区別され、事業者は開設時および休止、廃止する際に保健所に届け出る。厚生労働省によると全医療施設の95%を占め、身近なかかりつけ医として地域医療で重要な役割を担う。全国の診療所数はことし6月末現在、約17万で年々増加傾向にある。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「診療所」の意味・読み・例文・類語

しんりょう‐じょシンレウ‥【診療所】

  1. 〘 名詞 〙 医師または歯科医師が患者のために診療を行なう場所で、医療法によれば患者の収容能力が一九人以下のものをいう。
    1. [初出の実例]「博士が第一相互の二階に診療所(シンレウジョ)を開いた頃よ」(出典:真理の春(1930)〈細田民樹〉森井コンツェルン)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「診療所」の意味・わかりやすい解説

診療所
しんりょうじょ

医療機関のうち、病床数(ベッド数)が19床以下のものをいう。また、診療所のうち、病床をもたない施設を無床診療所、病床をもつ施設を有床診療所という。一般的には医院またはクリニックと称することもあるが、病院という名称を用いることはできない。病床数が20床以上の医療機関のみが病院と称することができる。医療法には「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう」と規定されている(同法1条5項)。

 厚生労働省「令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2022年10月1日時点で、一般診療所数は全国で10万5182施設であり、前年比プラス0.9%である。内訳をみると、無床診療所の数は9万9224施設であり、一般診療所全体の94.3%を占めている。有床診療所の数は5958施設である。無床診療所の数が前年比プラス1.1%であるのに対し、有床診療所の数は前年比マイナス3.4%と減少傾向が続いている。有床診療所の病床数合計は8万0436床であり、前年比マイナス3.9%と、これも減少傾向が続いている。施設数を開設者別にみると「医療法人」が4万5967施設(43.7%)ともっとも多く、次いで「個人」が4万0064施設(38.1%)、「公的医療機関」4144施設(3.9%)の順となっている。

 診療所を開設するときには、医師または歯科医師は、開設後10日以内に所在地の都道府県知事に届け出なければならない。このほか、診療所は医師または歯科医師に管理させなければならないということも医療法に規定されている。

[前田幸宏 2024年10月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「診療所」の意味・わかりやすい解説

診療所 (しんりょうしょ)
clinic

医療施設の一つ。診療所は医療法(1948制定)によって,〈医師又は歯科医師が公衆又は特定多数人のために医業又は歯科医業をなす場所であって,患者の収容施設を有しないもの又は患者19人以下の収容施設を有するものをいう〉と定義づけられている。20床以上は病院と称されるが,診療所は病院とまぎらわしい名称は禁じられており,医院,クリニックと名のられている例が多い(一般に〈開業医〉が開設しているものは,この診療所にあたる)。診療所の開設者が医師または歯科医師でない場合には,医師または歯科医師を管理者としておき,都道府県知事の許可を受けて診療所を開設できることになっている。法人の場合も同様である。医療法施行規則には診療所の開設手続,管理,構造設備等についても詳しい規定がされている。医療施設のなかで診療所は患者にとって最も身近に,またその数も多く存在しており,国民の健康回復・保持に重要な役割を果たしているが,病院,総合病院,保健所等とのより密接なネットワークもさらに考えられる必要がある。
病院
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「診療所」の意味・わかりやすい解説

診療所【しんりょうしょ】

病院と同様の医業をなす場所であるが,医療法上,患者の収容施設を有しないか,または19人以下の収容施設を有するもの。1人または数人の医師または歯科医師によりおもに往診と外来診療を行う。
→関連項目医療金融公庫医療法かかりつけ医看護婦

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「診療所」の意味・わかりやすい解説

診療所
しんりょうしょ
clinic

医師または歯科医師が公衆または特定多数人のため医業または歯科医業を行う場所で,患者の収容 (入院) 設備がない外来専用のもの,あるいは 19ベッドまでの設備のものをいう (医療法) 。一般的には医院と呼ばれることもあり,入院ベッドのないものを無床,あるものを有床診療所という。医師,歯科医師以外のものが診療所を開設する場合は,都道府県知事の許可を必要とする。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

栄養・生化学辞典 「診療所」の解説

診療所

 医師または歯科医師が医業または歯科医業をする場所で,患者の収容施設をもたないもの.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android