ナスカとフマナ平原の地上絵(読み)ナスカとフマナへいげんのちじょうえ

世界遺産詳解 の解説

ナスカとフマナへいげんのちじょうえ【ナスカとフマナ平原の地上絵】

1994年に登録されたペルーの世界遺産(文化遺産)で、首都リマ南方に位置する。紀元前2~後7世紀のものといわれ、乾燥した大平原に、ハチドリコンドルペリカンサルイヌトカゲクモなどの動物、花などの植物、幾何学文様や人形(ひとがた)が描かれている。これらは、農耕や水に関わる儀礼に関するものと推測されている。1939年にアメリカの考古学者、ポール・コソック博士によって発見されてからは、ドイツの女性数学者、マリア・ライヘが巨大絵の謎の解明と保護活動に取り組んできた。人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。パンアメリカン・ハイウェイによる線画の寸断などによって地上絵消滅が危惧された。しかし、1997年以降は保護されている。◇英名はLines and Geoglyphs of Nasca and Pampas de Jumana

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

百科事典マイペディア の解説

ナスカとフマナ平原の地上絵【ナスカとフマナへいげんのちじょうえ】

ペルーの南西部,首都のリマから南東に約400kmの太平洋岸に近い不毛の平原上に描かれた巨大な地上絵。紀元300〜600年頃に古代ナスカ人によって描かれたものといわれ,巨大な動物,魚,虫などのほか幾何学的模様もみられる。巨大な動物では長さが300m近いものもあり,数kmに及ぶ長い直線が描かれているものもある。これらの巨大な地上絵が描かれた理由は今も謎とされている。1994年世界文化遺産に登録。

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